海外市場でドル円は、対ポンド中心にドル売りが強まった影響を受けて、円買い・ドル売りが先行し、一時110.16円付近まで下押しした。ただ、安く始まった現物のダウ平均が持ち直すと投資家のリスク回避姿勢が和らぎ全般円売りが優勢になり、ドル円も110円台半ばまで下げ渋った。
ポンドは、英国の新型コロナウイルスの感染者数がここ数日で落ち着いたことから買いが広がった。ポンドドルは一時1.3833ドル、ポンド円は152.61円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8537ポンドまでユーロ安・ポンド高に振れた。
本日の東京時間のドル円もレンジを抜けだすのは難しいか。昨日はアジア時間に23日高値の1銭手前の水準で上値は止められ、下値も同日安値の3銭手前で支えられ、前営業日のレンジすら抜けることができなかった。本日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、明日に結果が発表されることを考えると、多少昨日のレンジを超えることはあったとしても大きなレンジを作るような相場にはなりにくそうだ。米国入り後には米国から6月の耐久財受注額をはじめ、複数の経済指標の発表が予定されている。しかしながら、上述したようにFOMCの結果並びにパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が終了するまでは、市場参加者がリスクを取りにいく地合いとはならないだろう。
市場への直接な影響は現時点では軽微だが、米国の政治状況と新型コロナウイルス感染拡大には目を向けておきたい。「インフラ投資法案」は週末を含め様々な話し合いが行われたがいまだに進展していない。上院での再採決にも至っていないが、下院では民主党のカリフォルニア州選出議員が、移民制度改革なければ法案を支持しない方針を表明するなど、今後の法案の行方がより不透明になりつつある。ウイルスに関してはデルタ株の感染拡大により、既存の渡航禁止令を維持することが発表されている。また、一部の州では医療従事者のワクチン接種が義務付けされるなど、今後の進展次第では米国の経済回復期待に水を差す可能性もある。
ユーロドルは、昨日も先週のコアレンジを超えられずにいる。本日はユーロ圏のマネーサプライM3やデコス・スペイン中銀総裁の講演以外に主だった予定がないことで、市場が動意づくのは難しそうだ。ただし、ユーロポンドが4月上旬以来割り込んでいない、0.8500ポンドを割り込むようなことになった場合は、欧州通貨も動意づくだろう。

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