2016年5月25日には、「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律(銀行法等改正法)」が可決、成立している。この法律の最も注目される点は、金融関連IT企業等への銀行等による出資の容易化が盛り込まれている点である。これまでの銀行法では、銀行は5%、銀行持ち株会社は15%までの出資規制があったが、この規制が緩和されることになる。公布日(2016 年6月3日)から起算して1年以内の政令指定日から施行されることになっているが、2017年4月に施行されるとの見方が多くなっているようだ。<br/><br/>フィンテックはすでに、P2P融資、決済、個人資産管理、ロボアドバイザーなど多方面の分野で、大きなビジネスとなりつつあり、将来的に金融機関の収益がフィンテック企業に取って代わられるとの見方も多くなっている。銀行などの金融機関もこうした危機感を背景に、フィンテックへの取り組みを積極化させており、フィンテックスタートアップ企業との提携の動きなども活発化している状況だ。<br/><br/>ただ、銀行が最も手っ取り早くフィンテックを取り入れるには、技術力のあるフィンテック関連企業を自社に取り込んでしまうことだろう。今後、銀行法等改正法が施行されることにより、早い段階で、大手金融機関によるフィンテックスタートアップ企業の買収の動きなどが顕在化する可能性も十分に高いと考えられる。フィンテック関連企業は全般的に、一時の株価上昇の勢いが沈静化しているものの、このようなM&Aの実現は株価反発のきっかけにつながる起爆材料となり得よう。成長力のある関連企業の買収プレミアムも非常に高まると考えられる。<br/><br/>M&Aの対象となる被買収企業に高いプレミアムが付与されることによって、フィンテック関連企業と位置づけられる銘柄には、総じてバリュエーションが切り上がることになろう。中小型のフィンテック関連銘柄の株価再上昇局面入りは接近している状況と判断したい。<br/><br/>時価総額200億円以下の主なフィンテック関連銘柄<br/>オウケイウェイヴ<3808><br/>リアルワールド<3691><br/>ビリングシステム<3623><br/>ラクーン<3031><br/>リミックスポイント<3825><br/>フィスコ<3807><br/>アイリッジ<3917><br/>インフォテリア<3853><br/>ロックオン<3690><br/>フライトホールディングス<3753><br/>トレイダーズホールディングス<8704><br/>セレス<3696><br/>カイカ<2315><br/>マネーパートナーズグループ<8732><br/><br/><br/><br/><br/><br/>

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