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山内 俊哉
山内 俊哉のコラム :
2013/09/019/2 今週の見通し-シリア決定は9日以降、雇用統計が最重要-
2013/08/258/26 今週の見通し-米経済指標での一喜一憂が続きそう-
2013/08/188/19 今週の見通し-ジャクソンホールのシンポジウムで円安期待-
2013/08/118/12 今週の見通し-ドル反転には強い経済指標必要-
2013/08/048/5 今週の見通し-週後半の中国指標に警戒-
2013/07/287/29 今週の見通し-米経済指標悪化ならドル安継続と思われる-
2013/07/217/22 今週の見通し-本邦参院選での円売りは長続きせず?-
2013/07/147/15 今週の見通し-中国GDP悪化と株価の動きに注意-
2013/07/077/8 今週の見通し-中国経済指標に注意だがドル買い優勢の模様-
2013/06/306/30 今週の見通し-米重要指標重なり、ドル買い優勢か-
2013/06/236/24 今週の見通し-市場は落ち着きを取り戻せるか-
2013/06/166/16 今週の見通し-米FOMC、中国PMIで流れ変わるか-
2013/06/096/9 今週の見通し-中国指標悪化でリスク・オフ継続か-
2013/06/026/3 今週の見通し-市場が落ち着くかは米雇用指標次第-
2013/05/265/27 今週の見通し-株価主体だが、月末にかけて円買い圧力顕在か-
2013/05/195/20 今週の見通し-ドル高期待はどこまで続くか-
2013/05/125/13 今週の見通し-米小売とユーロ圏諸国GDPに注意-
2013/05/055/6 今週の見通し-市場心理は楽観的に傾いたか-
2013/04/284/29 今週の見通し-円安は週全般にわたり調整の可能性あり-
2013/04/214/22 今週の見通し-円安は週全般にわたり調整の可能性あり-

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山内 俊哉 – 為替ウィークリー展望
上田ハーロー株式会社は日本の金融界に短資業の基礎を築いた上田八木短資グループ の一員。外国為替を長く見つめてきた企業として情報提供にも力を入れている。コラ ムニストの山内俊哉のブログは定評あり。

7/7 FRB理事や地区連銀総裁の講演に注目

2014/07/06

【今週の見通し】
先週3日(木)に発表された米国の雇用統計は、米雇用の回復傾向が続いていることが示された一方で、イエレン米FRB議長などが懸念している労働参加率が横ばいだったことが示されました。

■非農業部門雇用者数(単位:千人)

項目 4月 5月 6月
雇用者数増減 +304 +224 +288
雇用者数 138,268 138,492 138,780
財生産 18,995 19,017 19,043
民間サービス 97,391 97,593 97,829
政府 21,882 21,882 21,908
失業率 6.28% 6.30% 6.09%
労働参加率 62.8% 62.8% 62.8%
広義の失業率 62.8% 62.8% 62.8%
27週以上の失業率 62.8% 62.8% 62.8%
source:U.S. Bureau of Labor Statistics

米10年債利回りは2.6%台後半まで一時上昇しましたが、更なる上昇にはつながっていません。一方、米国の株式市場は史上最高値を更新するなど、FRBの低金利政策が継続するとの楽観的な見方が継続しました。ドルは雇用統計を受けて買われたものの、ドル/円では102円台前半まで、ユーロ/ドルでは1.36ドル割れ(ユーロが売られる)までで、これまでのレンジ(保合い)から抜け出すまでには至りませんでした。ECB理事会、米雇用統計と大きなイベントをこなしたものの、依然としてドル、ユーロ、円については方向感が持てない展開となっています。今週はいくつかの経済指標の発表が予定されていますが、米国の金融政策の方向性を予測できるような内容のものはないため、週半ばから後半にかけて予定されている米地区連銀総裁らの講演内容がハト派的から中立もしくはタカ派方向にシフトしていた場合には米利上げ期待につながる可能性があります。また、米国の4-6月期の企業決算の発表が予定されているため、米株式市場が堅調に推移した場合には、相関は低下しているものの、円売り圧力が出てくるものと思います。

 

【 EUR/USD 】

先週ECB理事会は6月で実施した政策金利の引き下げを含む金融政策の効果を見極めたいとして、2015年以降の金融政策会合が6週間おきになることや議事録の公表を決めたことを発表したにとどまりました。その後のドラギECB総裁の定例記者会見では、

  • 為替レートは政策目標ではないが、重要になっている
  • 理事会は非標準的措置も用いる決意で一致している
  • 理事会は金利を現在の水準で長期間維持することも改めて表明
  • ユーロ圏経済の見通しをめぐるリスクは依然下向き
  • 6月までの経済指標は、2014年第2・四半期も極めて緩やかな回復が継続している
  • われわれは資産担保証券(ABS)に興味を持っている
  • 買い入れプログラムの概念の中には、債務担保証券(CDO)ないしデリバティブ(金融派生商品)といったたぐいのものは存在しない
と資産担保証券(ABS)の買い入れを含む追加緩和策の具体的な時期については示唆しませんでした。ただ、米雇用統計が強い内容となったことで、ユーロ/ドルは1.36ドルを僅かに割り込む水準へと低下しています。今週はドイツやフランスの貿易収支の発表が予定されていることやドラギECB総裁の講演が予定されているものの、ユーロが注目される経済指標の発表は予定されていません。そのため、米国の地区連銀総裁などの要人発言でドルが買われた場合には、6/5安値の1.35ドル割れを試しに行く可能性が高まります。ただ、豪ドルがスティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁発言から上昇が牽制されたこともあり、キャリートレードとしてのユーロ売りも出にくくなることが予想されます。また、スウェーデンが3日に0.50%の予想外の利下げ、ノルウェーが次回会合で利下げをする可能性も高くなっていることで、ユーロが底堅く推移する可能性もあり、下値は限定されるのではないかと思います。

ユーロ/ドルは日足の一目均衡表の雲がレジスタンスとなり、転換線、基準線を下抜けてきました。ストキャスティクス(スロー)では75以上のデッドクロスが見事に機能しました。MACDがデッドクロスすれば、2/3安値の1.3477ドルを下抜けて昨年11/7安値の1.3296ドル近辺まで下落する可能性が出てきます。ユーロ/円も日足の一目均衡表の雲がレジスタンスとなり、基準線を下抜けています。こちらもストキャスティクス(スロー)が75以上でデッドクロスしています。6/16安値の137.71円近辺が足許ではサポートとなると思いますが、ここを下抜けると2/4安値の136.23円近辺まで下落していくものと思います。

 

【 USD/JPY 】

今週は、先週発表された米雇用統計の内容を受けたFED要人の発言に注目したいと思います。

  • 9日(水) 2:00 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(タカ派、投票権なし)
  • 9日(水) 2:45 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁講演(ハト派、投票権あり)
  • 11日(金) 2:15 ジョージ米カンザスシティ連銀総裁講演(タカ派、投票権なし)
  • 11日(金) 5:30 フィッシャー米FRB副議長講演(ハト派、投票権あり)
  • 12日(土) 3:45 ロックハート米アトランタ連銀総裁(中間派、投票権なし)
  • 12日(土) 3:45 エバンス・シカゴ連銀総裁講演(ハト派、投票権なし)
タカ派は除き、中間派やハト派の発言内容でハト派色が弱まるようであれば、QE縮小ペースが速くなることや利上げ期待につながる可能性が高まります。また、10日(木)には、米6月FOMC議事要旨が公表されるため、ようやくメンバーがそろった中でのFOMCだったこと、直前で消費者物価指数が前年比2%を超えていたにもかかわらず(イエレン米FRB議長は「ノイズ」とした)、緩和方向を維持したことから、そこに至った判断が注目されると思われます。FOMCは正常化に向けての議論を開始すると4月の会合で示し、イエレン米FRB議長も概略については年後半のどこかで示すとしている。今回の議事録では、議論について進展があったとは思われないが、正常化を意識することにつながる内容となった場合にはドル買いにつながるでしょう。
チャートは日足の一目均衡表の雲の下から中に入り基準線、転換線を上抜けています。MACDもゴールデンクロスしたことで、底堅い動きが予想されますが、このレベルを推移していると遅行線がロウソク足の下に抜け出てしまうため、再び下を試すことにつながりそうです。6/30安値の101.24円から一目均衡表雲の上限となる102.46円あたりでの狭いレンジが継続しそうです。

 

■今週の予想レンジ
CcyLow(下) ~ High(上)
EURUSD 1.353 ~ 1.37
USDJPY 101.2 ~ 103.1
GBPUSD 1.705 ~ 1.73
AUDUSD 0.925 ~ 0.947
NZDUSD 0.863 ~ 0.884

■重要イベント
7/7(月)
FX経済指標08:50日本 6月 外貨準備高
FX経済指標09:30日本 黒田東彦日銀総裁講演
FX経済指標14:00日本 5月 景気先行指数(CI)速報値
FX経済指標14:00日本 5月 景気一致指数(CI)速報値
FX経済指標15:00ドイツ 5月 鉱工業生産 m/m
7/8(火)
FX経済指標08:50日本 5月 国際収支経常収支
FX経済指標08:50日本 5月 国際収支貿易収支
FX経済指標14:00日本 6月 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
FX経済指標15:00ドイツ 5月 貿易収支
FX経済指標15:00ドイツ 5月 経常収支
FX経済指標15:45フランス 5月 財政収支
FX経済指標15:45フランス 5月 貿易収支
FX経済指標04:00米国 5月 消費者信用残高 m/m
7/9(水)
FX経済指標08:50日本 6月 マネーストックM2 y/y
FX経済指標03:00米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
FX経済指標03:00ユーロ圏 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演
7/10(木)
FX経済指標08:50日本 6月 国内企業物価指数 m/m
FX経済指標08:50日本 5月 第三次産業活動指数 m/m
FX経済指標08:50日本 5月 機械受注 m/m
FX経済指標14:00日本 6月 消費者態度指数・一般世帯
FX経済指標15:45フランス 5月 鉱工業生産指数 m/m
FX経済指標15:45フランス 6月 消費者物価指数(CPI) m/m
FX経済指標17:00ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)月報
FX経済指標21:30米国 前週分 新規失業保険申請件数
FX経済指標23:00米国 5月 卸売在庫 m/m
7/11(金)
FX経済指標15:00ドイツ 6月 消費者物価指数(CPI)改定値 m/m
FX経済指標15:00ドイツ 6月 卸売物価指数(WPI) m/m
FX経済指標15:45フランス 5月 経常収支
FX経済指標03:00米国 6月 月次財政収支
※m/m = 前月比、q/q = 前期比、y/y = 前年比

経済指標の詳細はFXmuseumのFXカレンダーを参照してください。



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