スティーブ・ジョブズ氏の伝記本が発売、9個の興味深い事実

　アップルの共同設立者で、10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の伝記「スティーブ・ジョブズ」が24日、世界18か国で同時発売された。著者ウォルター・アイザックソン氏がジョブズ氏に直接インタビューを行い、明らかにした興味深い事実9個を紹介しよう。

　ジョブズ氏のファッションセンス、妹にも

　ジョブズ氏は、生物学的な妹に当たる作家モナ・シンプソンが着る服が嫌いで、友人の日本人デザイナー三宅一生が作った服をよく送っていたという。シンプソンは「彼は私のために買い物に出かけ、私ぴったりのサイズのすばらしい服を選んでくれた」と語った。

　ジョブズ氏は「トイ・ストーリー」を守った

　ディズニー上層部が映画「トイ・ストーリー」の制作を打ち切ろうとしたとき、ジョブズ氏は自らの資金を提供し、映画制作を継続させた。当時のウォルト・ディズニー・ピクチャーズ会長、ジェフリー・カッツェンバーグ氏について、ジョブズ氏は「トイ・ストーリーをめちゃくちゃにした」と酷評。「彼はウッディー(トイ･ストーリーの主人公)を悪者にしたがっていたが、私たちは『これは私たちが望むことではない』と言い、私たちがいつも望む形に仕上げたんだ」と語った。

　ジョブズ氏はロマンチストだった様子

　ジョブズ氏は、およそ1年間付き合っていた作家ジェニファー・イーガンに会うためだけに、飛行機に乗って出かけたことがあったという。アイザックソン氏は本の中で「ボストンで行われたマックワールドのイベントで、彼は集まった大衆を前に、熱愛中であるからフィラデルフィア行きの飛行機に飛び乗って、恋人に会わなければいけないんだと語っていた。聴衆はその話に魅了されていた」とつづっている。ジョブズ氏は彼女とよく、夜中まで数時間も電話し続けていたという。

　大学の必修科目が嫌で、辞めた

　ジョブズ氏の両親は学費がかかるとして、ジョブズ氏が大学に行かないよう説得しようとしたが、結局は彼を大学に入れてやった。しかしリード大学に入学したジョブズ氏は、魅力的ではない授業を多く履修しなければならないことや、高額な授業料が家計の重荷になっていることを知ると、中退した。本には「実は彼は、リード大学を辞めたくはなかった。ただ授業料の支払いと興味のない授業をとることを辞めたかったのだ」とつづられている。

　育ての親を「1,000%両親」だと考えていた

　ジョブズ氏は父ポール・ジョブズと母クララ・ジョブズのことを「養父母」と呼ばれることを嫌っていた。アイザックソン氏によると、ジョブス氏は「彼らは1,000%私の両親だ」と述べたという。

　一方、生物学的な両親の話になると、ジョブズ氏は素っ気なく「私の精子バンクと卵子バンクさ。批判しているわけではない、ただまさに精子バンクのようなもので、それ以上の何物でもない」と語った。

　アメリカの教育システムを好まなかった

　アイザックソン氏によると、ジョブズ氏は米国の教育システムが時代遅れだと考えていたという。オバマ米大統領やIT系著名人と会食した際、ジョブズ氏はエンジニアの必要性について語り、米国でエンジニアの学位を取った学生には滞在用のビザを与えるべきだと主張していた。

　娘との関係が良くなく、経済的支援を打ち切ることも

　父と娘というものは、数週間、時には数か月も口をきかないことがあるものだ。スティーブ･ジョブズと娘リサ・ブレナン・ジョブズとの間も例外ではなく、彼女が大学に通うときには非常に仲が悪かったという。ジョブズ氏は時々、娘への経済的支援をやめていたため、彼女の授業料を支払ってくれたアンディ・ハーツフェルド氏にお金を返したこともあった。

　ハーツフェルド氏は「彼女はいつも父親との関係に自信をもてなかった」と述べ、「彼女の誕生日パーティーに行ったとき、スティーブも来る予定だったが、彼は非常に遅く来た。リサはとても心配し、失望もした。しかし父親がついに到着すると、彼女は明るくなった」と語った。

　アップルストアを地方には置かなかった

　ジョブズ氏は、アップルストアを地方に置くことを拒んだ。「私たちの製品をチェックするために10マイル(約16キロメートル)も車を走らせるようなことはさせられない。10フィート(約3メートル)歩けば着くようにするんだ」と述べた。

　またウィンドウズの利用者に対しては、「店の前を通りかかれば、興味を持ち、店に入ってみるようになる。十分に人々を呼び込んで、私たちの商品を見せるチャンスを作れば、私たちが勝つ」と語った。

　スティーブ・ジョブズのiPodの中身は？

　アリシア・キース、アレサ・フランクリン、ビートルズ、ブラック・アイド・ピーズ、ボブ・ディラン、バディ・ホリー、ドアーズ、ジャニス・ジョプリン、ジョン・メイヤー、トーキング・ヘッズなど。

　ラッパーのエミネムの曲もダウンロードしていたが、iPodに入れることはなかった。ジョブズ氏は「エミネムをアーティストとして尊敬しているが、彼の音楽は聴きたくないんだ。彼の価値を、私がディランに対して持っているのと同じようには持てないんだ」と述べた。

＜＜関連記事＞＞

世界のビジネスニュースが満載　IBTimes　本紙はこちら