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ドル円は160円台から154円台に急落

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】

◆ドル円はアジア時間に160円台に乗せ、160円22銭近辺まで
上昇。直後に介入らしき動きがあり、154円42銭前後まで急落。
荒っぽい動きを受けNYでも155円台から156円台後半まで荒い
値動きが続く。
◆一方ユーロドルは1.07を挟み小動きに終始。
◆株式市場では3指数が揃って続伸。ダウは146ドル買われ、
3日続伸。
◆債券は買われ、長期金利は4.61%台に低下。
◆金は3日続伸し、原油は反落。

 

ドル/円  155.05  ~ 156.88

ユーロ/ドル 1.0691 ~ 1.0729

ユーロ/円  166.27 ~ 167.98

NYダウ  +146.43 → 38,386.09ドル

GOLD  +10.50 → 2,357.70ドル

WTI   -1.22 → 82.63ドル

米10年国債 -0.049 → 4.614%
【本日の注目イベント】
◆日   3月失業率
◆日   3月鉱工業生産(速報値)
◆中   4月中国製造業PMI
◆中   4月中国非製造業PMI
◆中   4月財新製造業PMI
◆独   独4月雇用統計
◆独   独1-3月期GDP(速報値)
◆欧   ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)
◆欧   ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
◆米   1-3月雇用コスト指数
◆米   2月ケース・シラ-住宅価格指数
◆米   2月FHFA住宅価格指数
◆米   4月シカゴ購買部協会景気指数
◆米   4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

東京市場がGWの祝日のため休場。ドル円が一気に160円台に乗せ急騰。さらに
日銀金融政策決定会合は終わり、本日からは米FOMCが開催される・・・。
これだけの条件が揃えば、「実弾介入」の可能性も一気に高まるのも必然です。
昨日の午後1時ごろ、ドル円が160円22銭前後まで上昇した際、市場介入
と思える動きが見られ、ドル円は一気に下落。一時は154円42銭までドル安円高が
進みました。この動きで5円80銭程円高に振れたことになります。
財務省の神田財務官は、この日の会見で「介入についてはコメントできない」とし、「24時間、365日、平時であっても対応できる準備をしている」と、介入を行ったかどうかは明言しませんでしたが、この短時間で5円以上も円が買われる動きは、介入以外に考えられません。いずれ、日銀の当座預金残高の動きなどで介入であったかどうかが明らかになります。

それにしても、先週金曜日の日銀金融政策決定会合前には155円台半ばで推移していたドル円は、わずか1日で5円程円安が進んだことになります。
やはり植田総裁の発言が円売りを加速させたことは否めません。
筆者もリアルタイムで会見を聴いていましたが、総裁は「基調的な物価上昇率にここまで円安が大きな影響を与えているということではない」と述べ、また記者から
「現在の円安の原因が金利差や貿易赤字、デジタル赤字などと言われていますが、総裁自身、現在の円安の原因は何だと考えますか?」という質問には、「コメントを控えさせてもらいます」と述べるにとどめていました。
総裁は先週、ワシントンでの講演で、(円安進行に伴う物価高について)、「無視できない大きさの影響になれば、金融政策の変更も有り得る」との認識を示していました。
今回の会合で金融政策の変更がなかったということは、「(足許の円安は)大きな影響はないと判断されたのか?」とも問われ、総裁は「はい」と答えていました。
ここまで円安が進んでも、日銀が円安阻止のため利上げに動くとはないとも、受け取れます。これ以降円売りが加速し、この日の夕方には156円台に乗せていました。
総裁が会見で一言発する度に円が売られるシーンは、黒田氏の時から変わっていません。
考えてみれば、「異次元の金融緩和」から今回の円安が始まったわけです。その金融緩和を今も続けているわけですから、「異次元の円安」が起きても不思議ではないのかもしれません。

昨日の円急騰はおそらく介入と思われますが、これで当局は「160円が介入ライン」であることを示したことになります。
介入で流れが変わることはないと思われますが、今度は160円に近づくと、警戒感はこれまで以上に強まります。
ただ、実際に今回の動きが介入であったとしたら、152円近辺で行うべきだったようにも思えます。152円で行えば、仮に効果が今回と同様だとすれば、147円程度まで円高が進んだ可能性があります。今回、ドルを押し下げたとは言え、結局先週の日銀会合があった水準止まりでした。
ドル円が150円台に入った際、財務省は「あらゆる手段を排除しない」と、かなり厳しい言葉でけん制していましたが、160円台までなしのつぶて。市場参加者、とりわけ投機筋などは「政府は手詰まり」と、たかをくくって円売りを仕掛けていたようです。
筆者も「ひょっとしたら、米財務省から介入に対していい返事をもらえていなかったのではないか」と、考えてしまいました。
明日のFOMC会合で、米利下げの可能性がさらに低下するようだと、再び円売りが加速しますが、今度160円に接近した際に再び介入らしき動きがあるのか、注目です。
本日のドル円は155円50銭~157円50銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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