ADVFN Logo ADVFN

Hot Features

Registration Strip Icon for alerts 登録してリアルタイムのアラート、カスタムポートフォリオ、市場の動きを入手してください。

ドル円91円台前半まで下落後反発

Share On Facebook
share on Linkedin
印刷

<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
上値の重いドル円はバーナンキ議長の議会証言を受け一時91円11銭まで円高ドル安に振れた。その後株価の反発や米長期金利
の上昇を手掛かりに92円近くまで値を戻して引ける。

ユーロドルも引き続き上値が重く売り優勢の中、1.3037まで下落。ユーロ円の売りも活発で一時119円を割り込んだが、引けにかけて120円台まで反発するなど荒っぽい展開が続く。

株価は反発。バーナンキ議長の議会証言で、金融緩和姿勢が継続されるとの見通しが株価を押し上げた。住宅関連指標の上振れも好影響を与えダウは115ドル高。

債券価格は3日振りに反落。緩和政策が続くとの見方で上昇する場面もあったが、売りに押され小幅に反落し、利回りは上昇。

金は大幅に反発。緩和政策継続との見方から買い戻しが入り1600ドル台を回復。原油は小幅に続落。

12月ケースシラー住宅価格指数 → +6.84%
2月消費者信頼感指数 → 69.6
1月新築住宅販売件数 → 43.7万件
2月リッチモンド連銀製造業指数 → 6

ドル/円91.11 ~ 92.41
ユーロ/ドル1.3037 ~ 1.3123
ユーロ/円118.96 ~ 121.04
NYダウ+115.96 → 13,900.13ドル
GOLD+28.90 → 1,615.50ドル
WTI-0.48 → 92.63ドル
米10年国債+0.024 → 1.886%

【本日の注目イベント】
独:独GFK消費者信頼感調査
欧:ユーロ圏1月マネーサプライ
欧:ユーロ圏2月景況感指数
欧:ECB2回目の3年物オペの資金返済開始
欧:ドラギ・ECB総裁講演
英:英10-12月GDP(改定値)
米:1月耐久財受注
米:1月中古住宅販売成約指数
米:フィッシャー・ダラス連銀総裁講演

イタリアの総選挙結果を受け一気に「リスクオフ」が進み、為替市場も株式市場も方向感のない神経質な展開になってきました。
ドル円は月曜日だけでほぼ4円近く円高に振れたことになり、ユーロ円に至っては6円以上の円高でした。昨日もイタリア選挙の影響を引きずり荒っぽい展開が続き、92円75銭まで値を戻した場面もありましたが、海外市場では91円11銭近くまで下落し、その後再び値を戻しています。

これまでほぼ「調整」のないまま順調に円高修正が進んできましたが、今回ようやく「イタリア総選挙」を引き金に「本格的な調整」が始まったと見られます。神経質な動きを見せる背景には市場関係者の相場観にも変化が表れ、混沌としてきたことが挙げられます。「円安修正の動きは今後大きな変化を見せる」といった意見も出ており、昨年10月後半以来続いてきた円安トレンドも一旦修正を余儀なくされるといった見方です。

個人的には「ドル高円安」トレンドは崩れていないと見ています。日足チャートで一目均衡表の「転換線」と「基準線」に注目すると、ローソク足は依然として基準線を上回る水準で推移しています。「転換線」が「基準線」を下から上に抜け「好転」を見せたのが昨年10月で、それ以来反対に上から下へ抜ける「逆転」は一度も見せてはいません。
現在「基準線」は91円30銭に位置しており、「転換線」は92円70銭程度で下げ止まっています。
月曜日のNY市場でドル円が急落し90円85銭を記録した際には、ローソク足が「基準線」に交わり、下抜けしそうな形を見せましたが、昨日の92円台後半への反転でむしろ「長い下ヒゲ」を示現しています。基本的にはこの両線が「逆転」を起こすまではトレンド継続と考えられます。ただし、90円を割り込む水準まで円高に進むようだとその限りではありません。

ドル円の上値は徐々に重くなっており、94円台半ばに届くにはかなりの時間を要すると見られます。イタリア総選挙では上院で過半数を獲得した陣営はなく、今後連立の枠組みなどを巡ってさらに混乱が続くと予想されます。昨日のイタリヤ株式市場では株価が大幅に下落し、国債も売られ、10年債利回りは5%に迫る水準まで上昇(価格は下落)しています。今のところ昨年夏場まで続いた「欧州債務危機」のような重大なリスクに至る可能性はほとんどないと思われれますが、火種はくすぶっています。

救いは歳出削減期限の問題はあるものの、米景気が堅調なことです。
バーナンキFRB議長は昨日上院で証言を行い、景気について「今年に入り再び上向きつつある」との認識を示し、これまでの「足踏み」という表現から上方修正しています。住宅市場の回復が周辺業種にも好影響を与えていると見られます。
昨日発表された新築住宅販売件数は前月比で大幅に増加し、2008年7月以来の高水準を記録しました。また、全米20都市の住宅価格指数(ケース・シラー総合20)も前年同月比で約6年ぶりの高い伸びを見せています。それでもバーナンキ議長は慎重姿勢を崩さず、議会証言では「出口戦略」に言及することはありませんでした。議長は、日本の安倍政権の政策についてどう考えるかという質問に対して、苦笑いをしながらも「日本のデフレ脱却努力を支援する」と答えています。

安倍総理は昨日の補正予算成立後の記者会見で「決める政治」という言葉を使っていました。「TPP交渉への参加」や「日銀総裁人事」など、確かに次々と「決めて」います。米景気の回復基調と、中国でも景気底入れ観測が出るなど、グローバルで見れば日本のデフレ脱却に向けた施策を推進するにあたって、経済環境は悪くありません。
今回の「イタリアショック」さえうまく乗り切ることができれば、2年以内のデフレから脱却することも「夢」ではありません。
そのための日銀正副総裁人事だったと受け止めることができます。

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
ADVFN.comサイトのブログは、独立した金融解説のためのものです。これらのブログは、共通キャリア·プラットフォームを介して独立した著者によって提供されており、ADVFN PLCの意見を表すものではありません。 ADVFN PLCは、これらの記事を編集、承認等しないため、その責任を負わず、また、第三者が、これらの情報に頼ることに対して一切の保証はいたしません。 ADVFN.comサイトにおける情報は、一般的な情報と使用目的のためのもので、特定の要件に対応するものではありません。

コメントを書く

 

最近閲覧した銘柄

Delayed Upgrade Clock