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ドル円149円台半ばまで下落

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
◆上値の重い展開が続くドル円は続落し、一時149円47銭まで下落。日経電子版で日銀の早期利上げ観測が報じられたことが材料に。

◆ユーロドルは小幅に続伸。ユーロは対円で157円96銭近辺まで売られ、9月19日以来となるユーロ安を付ける。

◆株式市場は3指数が買われ、ダウとS&P500は最高値を更新。

◆債券も買われ、長期金利は4.16%台に低下。

◆金は続伸し、原油は続落。

ドル/円  149.47~ 150.53

ユーロ/ドル 1.0542 ~ 1.0584

ユーロ/円  157.96 ~ 158.90

NYダウ  +188.59 → 44、910.65

GOLD +16.20 → 2,681.00ドル

WTI -0.72   → 68.00ドル

米10年国債 -0.091  → 4.169%
【本日の注目イベント】
◆豪 10月住宅建設許可件数
◆豪 10月小売売上高
◆中 11月財新製造業PMI
◆独 11月製造業PMI(改定値)
◆欧 ユーロ圏10月失業率
◆欧 ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
◆英 11月製造業PMI(改定値)
◆米 11月ISM製造業景況指数
◆米 11月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
◆米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
◆米 ウォラー・FRB理事講演
◆米 サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)

先週末の東京時間でもドルの上値は重く、ジリ安の展開でしたが、夕方には150円台を割り込み、NYでは一時149円47銭までドルが売られました。
日経電子版が、植田日銀総裁との単独インタビューを行った際の内容を報じ、これが円買いを加速させました。

インタビューの中で総裁は、「中央銀行の立場からは、物価・経済見通しに為替レートがどういう影響を与えるのかという点で考えるし、そこをポイントに政策運営をする」と強調しています。(日経新聞)少なくとも黒田前総裁時代は、「為替で金融政策を決めているわけではない」と何度か繰り返していましたが、現在は全く逆で、為替が政策の中心になっている印象です。その上で植田総裁は、「インフレ率が2%を超えはじめている時に一段の円安になれば、リスクが大きい。場合によっては対応しないといけなくなる」と、円安がさらに進めば、政策金利を引き上げて円安を止める必要がある、といった趣旨の発言を行っていました。この報道を受け、市場は早期の追加利上げがあるとの観測から「ドル売り円買い」を加速させ、ドル円が150円を割り込むトリガーになりました。ただ逆に考えれば、今年最後の金融政策会合(12月18-19日)までにドル円がさらに円高に振れていた場合には、利上げの必要性は薄れ、その時点での利上げはない可能性もあります。筆者は12月会合では利上げは見送られ、1月会合で25bpの利上げを予想しています。金融正常化への過程にあるのは理解できますが、利上げを急ぐほどインフレが加速している状況でもなく、さらに利上げで低迷している日本株がさらに売られる可能性もあります。NISAやIDECOの拡充で、若年層も資金を株式に向け始めている現状で、株価の大幅下落は避けたいはずです。また、国民民主党の玉木代表が利上げには反対しており、少数与党自民党としても、政策運上同党代表の声も無視できないのではないかと思います。

一方で注意しなければならないのが、トランプ次期政権の関税政策です。すでに、カナダとメキシコに対して25%の関税を課すことを表明しており、中国に対する60%の関税賦課はまだ封印されてはいますが、今後の中国の出方次第では、トランプ節がいつ発せられても可笑しくはありません。今後米国でインフレが再燃するようだと、日銀のさらなる追加利上げの可能性は早まることになります。カナダのトルドー首相は29日フロリダ州に飛び、トランプ氏所有の豪邸「マールアラーゴ」で同氏と会食をしながら今後の対応を協議しました。25%の関税について話し合われたかどうかは分かりませんが、トランプ氏は「非常に生産的な会合だった」と述べています。また、同じく25%の関税賦課を表明されたメキシコのシエインバウム大統領は、25%の関税について、回避できる方向で米国と合意出来ると述べ、その準備は出来ていると述べていました。すでにトランプ氏との会談を終えているかもしれません。

ドル円は大きく売られましたが、日足の「雲の上限」で見事に下げ止まっています。この雲を下抜けするには147円台後半までドル安が進む必要があり、ここを抜ければ「ドル高傾向の終焉」を迎えることになります。比較的早目のシグナルを発する「MACD」ではマックDが「ゼロの軸」に接するところまで来ました。この先マックDがマイナス圏に入り、続いてシグナルもマイナス圏に入ればドル安がさらに進む可能性があると思われます。その意味で、ドル円は「依然ドル高傾向は継続か、ドル安トレンドへの転換か」非常に重要な局面に差しかかっていると言えます。

本日のドル円は149円~150円80銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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