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ICC、ネタニヤフ氏に逮捕状

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
◆前日155円台後半まで上昇したドル円は反落。一時は153円91銭前後まで売られ、ウクライナ情勢の不透明さが増し、リスク回避の流れが円買いにつながった。

◆ユーロドルは1.05台を割り込み、昨年10月以来となる1.0462まで売られる。

◆株式市場では3指数が久しぶりに揃って上昇。ただ、ダウ以外の指数は小幅高。ダウは一時600ドルを超える上昇を見せたが、461ドル高で引ける。

◆債券はほぼ横ばい。長期金利は4.41%台で引ける。

◆金は4日続伸。原油はロシアがウクライナに反撃したことを受け続伸。

◆新規失業保険申請件数            → 21.3万件

◆11月フィラデルフィア連銀景況指数     → -5.5

◆10月景気先行指標総合指数         → -0.4%

◆10月中古住宅販売件数           → 396万件

ドル/円  153.91 ~ 154.74

ユーロ/ドル 1.0462 ~ 1.0544

ユーロ/円  161.67 ~ 162.71

NYダウ  +461.88 → 43,870.35

GOLD +23.20 → 2,674.90ドル

WTI  +1.35  → 70.10ドル

米10年国債  +0.008 → 4.418%

【本日の注目イベント】
◆日 10月消費者物価指数
◆独 7-9月期GDP(改定値)
◆独 11月製造業PMI(速報値)
◆独 11月サービス業PMI(速報値)
◆欧 ユーロ圏11月製造業PMI(速報値)
◆欧 ユーロ圏11月サービス業PMI(速報値)
◆欧 ラガルド・ECB総裁講演
◆英 10月小売売上高
◆英 11月製造業PMI(速報値)
◆英 11月サービス業PMI(速報値)
◆米 11月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
◆米 11月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
◆米 11月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値))
◆米 11月S&Pグローバル総合業PMI(速報値)
◆加 9月小売売上高

前日の欧州市場では155円89銭まで買われたドル円は、やはり目先のレンジの上限を抜け切れず、NYでは一時153円91銭前後まで押し戻されています。ロシアがICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられるロケット弾でウクライナに反撃したことで、リスク回避の流れがドル円を押し下げました。

ウクライナ軍は、ロシアがICBMでウクライナ領を反撃したと発表しました。ロシアは、ウクライナによる米英製の長射程兵器を使ったロシア領内への攻撃に対して報復攻撃を行ったもので、停戦協議の可能性も浮上する中、戦争が再びエスカレートしています。「ウクライナ情勢は新たな段階に入った」と指摘する専門家もいます。ロシアの国営タス通信によると、「ロシアは新型の中距離ミサイルでウクライナを攻撃したと、プーチン大統領も確認した」と伝えています。ただ、米国は、「ICBMよりも射程距離の短い実験的な中距離弾道ミサイルだ」と述べています。

国際刑事裁判所(ICC)は、イスラエルのネタニヤフ首相およびガラント前国防相に逮捕状を発行したと発表しました。ICCのカーン主任検察官は今年5月に、「昨年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃、パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの軍事対応にそれぞれ関連して戦争犯罪があった」として、逮捕状を請求していました。逮捕状発行についてイスラエル首相府は「ばかげていて誤ったICCの行動と批難を拒絶する」と声明を発表し、「反イスラエル的決定が、イスラエルの市民保護を妨げることはない」と表明しています。「ICCは欠席裁判を認めていないため、ネタニヤフ氏が法定で裁かれる公算は小さいが、英国やフランス、ドイツ、カナダなどはICCに加盟しているため、これらの国をネタニヤフ氏が訪問するのは難しくなる」(ブルームバーグ)ようです。ICC加盟国は逮捕状が発行された当該者が自国を訪れた場合、逮捕しなければならないからです。問題は米国です。米国はICCに加盟しておらず、5月の逮捕状請求に対してバイデン大統領は「言語道断だ」と述べていました。また、今回トランプ次期政権に指名された何人かは、「逮捕状が実際に発行されるなら、米国はICCを制裁する」と述べています。現政権の姿勢が次期政権にも引き継がれる公算が大きいと見られており、イスラエル側に立った政策は維持されそうです。ロシアからの攻撃圧力に苦しむウクライナには長距離ミサイル「ATACMS」を供与する一方、イスラエルの非人道的軍事行為には極めて寛容な米国の「ダブル・スタンダード」にはあきれるばかりです。

NY連銀のウイリアムズ総裁はバロンズ紙とのインタビューで、「2%という物価目標に向けてインフレは大幅に低下している。しかし、まだ目標には達していない」と述べています。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙とのインタビューで、「米国のインフレ率は、引き続き低下すると予想している」と述べ、さらに、シカゴ連銀総裁のグールズビー総裁も、「私見だが、この1年半の長期推移は、インフレ率が低下して2%に向っていることを示している。労働市場は安定した完全雇用に近い状態に落ち着いてきた」と、インディアナポリスで行われたイベントで述べています。

ドル円は、ここしばらくレンジ内での動きが続いているため、「日足」では「三角保ち合い」を形成しつつあります。153~156円のレンジをどちらに抜けるのか、足踏みを続けている状況ですが、筆者は、ドル高トレンドはまだ継続中であるとみています。

本日のドル円は153円30銭~155円程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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