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米大統領演説を受けドル円急反発

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
イランの報復攻撃を受け注目されていたトランプ大統領の声明では柔軟な姿勢を見せ、イランへの再攻撃の可能性が低下したことでドル円は急反発。109円25銭までドル高が進み、この日の高値圏で取引を終える。

ユーロドルは小動きの中小幅に下落し、1.1102までユーロ安が進行。

株式市場は揃って反発。ダウは161ドル高となり、ナスダックは最高値を更新

債券相場は下落。長期金利は1.87%台まで上昇し、昨年12月30日の水準に並ぶ。

金と原油は昨日の東京時間に急騰したが、NYでは大幅に下落。

12月ADP雇用者数     →  20.2万人

11月消費者信用残高     →  12.513b

ドル/円 108.62 ~ 109.25

ユーロ/ドル 1.1102 ~ 1.1131

ユーロ/円  120.78 ~ 121.38

NYダウ  +161.41 → 28,745.09ドル

GOLD   -14.10  → 1,560.20ドル

WTI   -3.09  → 59.61ドル

米10年国債 +0.054 → 1.874%

【本日の注目イベント】
豪 11月貿易収支
中 12月消費者物価指数
中 12月生産者物価指数
独 11月鉱工業生産
独 11月貿易収支
独 11経常収支
欧 ユーロ圏11月失業率
加 11月住宅着工件数
加 11月建設許可件数
米 新規失業保険申請件数
米 クラリダ・FRB副議長講演
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演(ロンドン)

「オラ・ラ・ラ・ラ・・・」筆者がまだフランス系の銀行に勤務していた頃、昨日の様な相場展開があった翌朝には、ディーリングルームに入って来たフランス人の支店長が、相場を見た途端に
よく発した言葉です。「何て相場だ・・・」といったニュアンスかと思いますが、昨日の朝から今朝までの相場の動きはまさに「オララ相場」でした。年明けの金融市場は、今年もトランプ大統領の一言一句に大きく踊らされる展開が続きそうです。

昨日の夜、多くのメディアは、イランがイラクにある米軍施設を攻撃したことで、「一線を超えた」といった論調でした。筆者も同感で、米軍がイランの司令官を殺害した後のトランプ大統領の発言は「イランが報復したら直ちに攻撃する。非常に激しく」と警告しており、イランの出方次第では全面的な武力衝突もあり得るとの印象でした。もっとも、この発言の背景には今年11月の大統領選を意識した部分もあろうかとは思っていました。

トランプ氏は昨日の朝方、国民に向けて声明を読み上げ、イランへの追加攻撃を示唆せず、「イランは行動を抑制している様子だ」と述べました。また、「関係者全てにとって良いことだ。世界にとって、とても良い」とし、「われわれの軍事力を行使したくない」と語るなど、予想に反して柔軟な姿勢を見せました。イランの報復攻撃を受けてトランプ氏が次にどのような行動を見せるのかが注目されていましたが、結局、米国人に被害がなかったことや、米軍施設への被害も限定的だったことを評価し、敵対的な姿勢を封印したものと思えます。また、軍事衝突となれば少なくとも米軍側にも人的被害が及び、大統領選を控えた今、出来れば戦闘は避けたいとの考えもあったと思います。

これまでの発言からすると「予想外」のトランプ氏の姿勢に、金融市場では急激な巻き戻しの動きが出ました。ドル円は昨日の朝方、「イラン米軍施設を攻撃」の一報が伝えられると108円を割り込み、107円65銭前後まで急激な円高が進みました。この時点で、これまでも何度が試しては押し戻されていた107円70-80銭のサポートレベルを割り込みました。筆者も、米国か反撃を行えば、107円割れもあり得るのではと予想していましたが、NYではトランプ氏の発言を好感し、109円25銭まで一気にドルの買い戻しが進みました。昨日は「107円、8円、9円」と、大台を3つも変えたことに成ります。巻き戻しは為替だけではなく、金価格は昨日の朝方には1600ドルを超えましたが、1560ドル台まで売られ、さらに昨日の朝方には65ドル台半ばまで買われた原油価格も60ドルを割り込んでいます。株式・債券市場でも、株価が大きく上昇し、金利は急上昇しました。昨日発表された12月のADP雇用者数が予想を上回ったことも、ドルをサポートしたようです。12月のそれは20万2千人と、予想の16万人を大きく超え、さらに11月分も6.7万人からほぼ倍増の12.4万人に上方修正されました。
明日の雇用統計を見ないと何とも言えませんが、米国の労働市場は依然として拡大基調にあるようです。

イランに対する米国の再攻撃の可能性が回避されましたが、今後も米国とイランとは核問題を巡り対立が続くと思われます。ひとまず109円台まで戻したドル円ですが、これはあくまでもショートの買い戻しに過ぎず、110円を目指すにはまだ時間が必要で、投資家が米経済の好調さを再認識し、ドル買いに向かうには外部環境の落ち着きが必要です。本日のドル円は108円70銭~109円40銭程度を予想します。まだドルの上値の方が重いと思われ、リスクはドルの下方の方が高いと思います。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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