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米雇用改善でドル円96円台半ばに

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は2月の雇用統計が市場予想を大幅に上回ったことからドルが急伸。ドル円は一時96円60銭を記録する大幅な円安に振れる。利益確定の売りに押され95円50銭まで一旦下げた後、96円近辺まで値を戻して引ける。

ユーロドルも1.31近辺から急落。米景気回復に伴うドル高に加え、イタリア国債が格下げされたことから1.29台半ばまで下落。ユーロも126円近くから123円台まで下げるなど大相場を演じる。

米雇用市場の改善を受け株価は続伸。ダウは週を通して上昇し、4日連続で過去最高値を更新。

株高が続き、景気回復を示す指標が相次いだことで債券相場は終始軟調に推移。10年債利回りは約11カ月振りに2.04%台まで上昇。

金、原油は小幅に続伸。

2月失業率 → 7.7%

2月非農業部門雇用者数 → 23.6万人

ドル/円95.50 ~ 96.60
ユーロ/ドル1.2955 ~ 1.3098
ユーロ/円123.80 ~ 125.98
NYダウ+67.58 → 14,397.07ドル
GOLD+1.80 → 1,576.90ドル
WTI+0.39 → 91.95ドル
米10年国債+0.045→ 2.040%

【本日の注目イベント】
日   2月マネーストック
日   黒田日銀総裁候補、参院で所聴取
日   石田日銀審議委員、栃木県金融経済懇親会で挨拶
欧   イタリア10-12月GDP(改定値)
欧   コンスタンシオ・ECB副総裁講演

2月の米雇用統計の結果を受け、ドル円は一段と上昇し96円60銭を記録しています。前日に節目の95円台に乗せたばかりでしたが、米景気回復を示す経済指標に反応し、円売りが加速しました。2月の失業率は予想の7.9%に対して、0.2ポイント改善し7.7%に。
これは昨年9月に記録した7.8%を下回り、リーマンショック後最も低い数字です。FRBは依然として失業率が高止まりしているとの認識を持っていますが、労働生産力が常に供給されている米国で、0.2ポイントの改善は決して悪くはなく、力強い改善を見せています。

非農業部門雇用数はさらに力強さを見せました。市場予想の16.5万人に対して26.3万人の大幅増加でした。1月分が15.7万人から11.9万人に下方修正されましたが、20万人を大幅に上回る内容に市場はドル買いで反応し、この直後に96円60銭までドル高円安に振れています。

ドル円は節目の94円台半ばから95円の水準を完全に上抜けしたことで、新しいステージに入った可能性が高いと思われます。週末から日曜日にかけての専門家の相場観もかなり上値を意識したもので、今後半年間のドル高値を「103-105円」と予想する声が増えていました年初の予想では今年1年の高値を「100円超え」とする声はほとんど見られなかったことからすると、予想外の円安が進んだことになり、専門家の間でも「想定外」だったことが伺えます。

世界的な株高が続き、市場は「リスクオン」の様相をかなり強めています。NYダウは先週1週間全ての営業日で上昇を見せ、史上最高値を4日連続で更新しています。「リスクオン」の流れは安全資産である債券売りも誘い、米10年債利回りは昨年4月以来となる2.04%台まで上昇(価格下落)しており、日米金利差の拡大からもドル高をサポートしている状況です。

雇用市場の改善が続いていることから、FRBはいずれ量的緩和政策の見直しに着手します。1月分の雇用者数は下方修正されましたが、これで昨年11月からの増加人数は85万人を超え、単純平均すると月に21.5万人増加したことになります。FOMCでは数値目標を、「月平均20万人を超える増加が半年以上続くことが望ましい」としています。失業率の数値目標からはまだ依然としてかい離しているものの、FOMCメンバーの中でも「タカ派」の声がさらに大きくなると考えられます。

96円台を記録したドル円は上値ではそれ程強力なレジスタンスはないとみられます。株高など外部環境の好調が続く限り、上記100円台もそれ程遠い先ではないかもしれません。ヘッジファンドなど投機筋も再び円売りのポジションを増やしています。来月3~4日の日銀決定会合での政策変更次第では、100円に向かってさらに円安が進むことも考えられます。「フィボナッチ・リトリースメント」では、2007年6月の124円13銭から、2011年10月の75円32銭までの下落の「半値戻し」を、99円73銭と導き出すことができます。

ユーロドルは上値が重い割には1.29台半ばでサポートされています。記録的な売りポジションの巻き戻しで1.37台までユーロ高が進んだ後、景気後退と失業率の高止まりから下落に転じ、さらに「イタリアショック」で急落したものの、その後は1.30を挟んだもみ合いが続いています。日足では一目均衡表の「転換線」が「基準線」を上から下に抜けているため下落トレンドを形成してますが、1.29台
半ばでは何度も止められているのが確認できます。さらに「週足」では依然として戻り基調でもあります。1.29台を下抜けできればもう一段の下落も想定されますが、反対に抜けないとすれば1.32台程度までの反発も考えられます。ただ、それでも足元では「ドル高」が進行していることから、上値は限定的だと考えられそうです。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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