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単純な支払い手段を超えたLightning Network応用の最新事例

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一つ前の記事でもLightning Networkのユーザー体験などについて書きましたが、ビットコイナー反省会の動画で、最新事例やユースケースを実際にデモで見せつつ、Lightning Networkの今後の応用可能性や今の時点での課題などについて説明しました。ビットコインダンジョンの方でも要点を紹介しておきます。

 

www.youtube.com

 

Lightningは単純な支払い手段の代替ではない

 

Lightning Networkについて考えるときに、まだまだ単純なペイメント手段としてとらえている人が多い気がします。確かにLNが広く使われるようになれば、今までの通常のオンチェーントランザクションより速く(ほぼ即時着金)、安いペイメントも可能になり、店舗での支払いなどの多くがLNに移る可能性は大いにありますが、単純にLNを支払い手段としてとらえた場合、わざわざその為にビットコインを用意して、チャネルをセットアップする理由や既存のSuicaやAlipayみたいなものに対する優位性も余りありません。

 

また、LNをビットコインのスケーラビリティの解決策として見る見方もありますが、個人的にはLNはスケーラビリティの問題とは本来切り離して考えるべきだとも思っています。確かに大部分の細かい送金がLNベースになればスケーラビリティの大きな向上も見込めますが、LNは比較的大きな額の送金に向かないことや、オンチェーンTxに頼る部分もあり、結局LNとは同時並行で各種その他のオンチェーン、オフチェーン技術の改善が必要なのは間違いないでしょう。

 

重要なのは、LNを使うと「今までできなかったタイプのアプリケーション」が可能になるということで、それらの新しいコンセプトがここ数か月で少しづつ見え始めています。以下に自分が面白いと思ったものを一部紹介します。

 

Satoshi's place

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  1. Satoshi's placeはオンライン上の共有お絵かきボードみたいなもの
  2. ただし、自分のイラストを書き込むには1pixelごとに1satoshi課金が必要
  3. オンライン上の細かいアクションに対して、1円以下のマイクロペイメントを組み込むことで、新しいタイプのPaywall的な仕組みが作れたり、細かい課金が可能になることの証明

 

Lightning Spin

 

  1. LNを利用したProvably Fairなオンラインギャンブルサイト(のコンセプト証明)
  2. LNを利用することで、少額からBetできるだけでなく、即時着金やLNの双方向ペイメントを利用したWithdraw(払い戻し)が出来る
  3. LNの即時着金という特性を使うことで、ゲームやサービスのユーザビリティーやUtilityの向上

 

LightningJP (API Callごとの課金)

 

  1. Lightningで1円くらいの金額を送ることで、特定のアカウントでツイートが出来るというコンセプトサイト
  2. BlockstreamのIFTTTという仕組みを利用
  3. APIコールごとの1円以下の細かい課金やコントロールを利用することで、事業者の新しい集金方法や、スパム対策などにも利用可能か

 

Zigzag

  1. Lightningを一部組み込んだShapeShift的なサービス
  2. 完全なトラストレスな形ではまだないが、LNを通してビットコインをZigZagに送ることで、各種アルトコインを送り返してくれる
  3. LNの即時着金の特性を利用したもので(ShapeShiftのように着金時間を数十分待つ必要がない)、LNを一部だけでも組み込むことで、ユーザー体験の向上や為替リスクの回避などが可能に
  4. 取引所が今後LNをどう組み込んでいくか、特に即時着金とユーザー資金を取引所が持たない形(Non-custodial exchange)、また、LNを利用したクロスチェーンスワップによるDex(分散取引所)が2018年後半~19年のトレンドになってくるはず

 

その他

  1. ゲームやエンタメ領域でユースケース考案が先行している
  2. LNでお金を先にデポジットして、ゲームをクリアしていくごとに返金がされる「実質無料ゲーム」。返金機構としてのLN。
  3. 他にもTwitchなどのゲーム視聴プラットフォームにLNを組み込むことで、ユーザー(視聴者ファン)からのリアルタイム送金が、実際のゲーム攻略やゲームシステムに影響を及ぼす形のもの、エンタメ的なものとの相性が良さそう

 

まとめ

 

  • Lightning Networkは単純な送金手段の改善ではない
  • おそらく支払い部分の置き換えの前に、その他のサービス、今まで出来なかったことや、存在しえなかったサービスなどの部分の応用が先行して、支払い手段としての浸透はその次だと考える
  • すでに上記のようなLapps(Lightning Apps)が出てきており、応用はさらに今後加速していく
  • 同時にインフラ部分やウォレットなどのインターフェースなどはまだまだ未成熟で、そこそこリテラシーの高いクリプトユーザーが使い始めるのは半年~1年、ライトユーザーの利用などは1年半~2年先か?
  • しばらくは使いたい人は実験と失敗、セルフゴックスの連続を覚悟すべき笑

7月21日のHashHubのカンファレンスでも複数セッションでLightning Networkについては解説、議論がされます。まだ席ももう少し残っているので、是非スケジュールが合う方はこちらのカンファレンスでお会いしましょう。内容は今回は自分が中心に企画しましたが、Lightning以外にも最新の事例や議論、考察が聞け、自分も含め色々勉強になることが多そうです。

 

conference.hashhub.tokyo

ビットコインについて「ビットコインを語ろう2.0」のブログを中心に、特に非技術者に向けて様々なメディア、講演会などで情報発信している。専門はビットコインのブロックチェーン技術の通貨以外への応用ビットコイン2.0と呼ばれる分野。日本のビットコイン業界を世界に追いつかせるべく、国内、海外の複数のプロジェクトに参画中。
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