NYタイムの為替市場ではドル円が弱含み、108.92円の安値をつけた。ドル売りの大きな要因となったのは、トランプ大統領の発言の「メキシコとの国境に壁をつくる予算確保のためなら、債務上限の引き上げが遅れて政府機関が閉鎖されるのも辞さない」というものだった。株式市場が軟調となり、米債利回りが低下し、ドル安に繋がった。ワイトマン独連銀総裁によるタカ派発言もあり、ユーロドルは1.1823ドルまで上昇した。一方、ポンドは対ドルで1.2780ドル、対円では139.44円まで弱含んだ。英企業調査で英・EU離脱後の景況に慎重な見方が示されたことも地合いを悪化させた。
本日の東京タイム為替市場は、イエレンFRB議長やドラギECB総裁が講演予定のジャクソンホール会議を控えて積極的な取引は控えられる可能性もあるが、ドル円の上値は限定的か。トランプ米大統領の「政府機関を閉鎖することになってもメキシコ国境に壁を建設する」という発言は、民主党のみならず共和党からも懐疑的な声が上がっている。米議会は夏季休暇明けの来月5日以降の短期間で、連邦債務上限引き上げを決めなければならい。そのようななかで、トランプ大統領が議会との対立を強めると、他に推し進めなければならない経済政策にも影響がでるだろう。トランプ政権への不安感で、しばらくは積極的にドルを買い進みにくい状況が続きそうだ。
クロス円も軟調地合いで、ポンド円が約2カ月ぶりの安値圏で推移し、NZドル円が日足一目均衡表・雲の下限を大きく下回り、豪ドル円も日足一目・雲の中に入ってきた。これらの動きもドル円の上値を抑える要因となる。
現在のオーダー状況は、108円後半から半ばにかけて買いが優勢だが、108.50円を割り込むとストップロス売りが観測される。その下は再び108.00円付近まで買いが優勢となり、割り込むとストップロス。また、25日NYカットのオプションが108.00円にみられる。上サイドは、109.70円付近に短期筋のストップロス買い、ただしその上から売りとなり、昨日とどかなかった110.00円には厚い売りが控えている。

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