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投資における金

貴金属の投資として最も有名なのが金である。 金は歴史を通じて富と成功の象徴として崇められてきたことから、多くの国で文化的に重要な位置づけにある。また、コモディティ投資の世界においても、金は特別なものとして扱われている。

また、わたし達は幼い頃から結婚指輪、「金」のコインチョコ、壮麗な工芸品などを見て金に親しみを持ってきたことから、金を非常に身近でごくありふれた物として認識している。

金は需要と供給に左右される。通例、金の消費量はインドが世界一であったが、近年、中国とその消費量を争うようになった。インドや中国などの国が経済発展とともに金の宝飾品の需要も高まり続ける。

また産出される金の大多数が宝飾品などに使われている一方で、産出量の最大20%は電子機器の製造に使われている。 

投資家は主にリスクを分散させるために金を購入する。しかし他の市場と同様、先物取引やその他のデリバティブ取引を通じて行う投機目的で参入することもある。

 

金のスポット価格

オンライン上で目にする金のスポット価格は概算として様々な形で表示されていることが多い。一部のウェブサイトでは、世界中のディーラーから集めた最新の価格を平均化し、それをスポット価格として掲載している。その他には、その時取引が行われている国際市場の情報を順に掲載しているサイトもある。例えば、東京市場の取引時間が終わると次に掲載するのがロンドン市場、続いてニューヨーク市場の価格を表示し、また東京市場に戻るといった形だ。

オンライン技術が進歩すると同時に、これらの価格の精度も進歩している。しかし、これらのスポット価格には通常、金を購入するにあたって必要な保管料や輸送費などは含まれていないという点に注意する必要がある。

世界の主要な金市場はロンドン、ニューヨーク、チューリッヒ、中国である。

 

金の価格は何に左右されるのか

全ての金融商品と同様に、金の価格も投機の需要を含めた需要と供給によって左右される。しかし他の金融商品と違い、金の消費量よりもその貯蓄と売却が金の価格に大きな影響を与える。

 

米ドルの価値

金は米ドルのリスク・ヘッジとして機能し、また米ドルに強く影響される。ドル高の時は金が安く価格が左右されやすい傾向にあるが、その一方で、ドル安は金の価格を高くする傾向にある。これはドル高の時、人はドルへの投資や取引をする傾向にあるためだ。しかしながら、経済が不安定でドルが安い時、金の現物や金の投資信託を介して金に投資する投資家が増える。

 

宝飾品としての金

宝飾品は常に年間の金需要の3分の2以上を占めている。中国は、金消費が前年比に比べ最も大きく、またインドもアメリカと同様に大量の金を消費している。また東南アジアでも金の需要が高まっている。

金の価格は、需要と供給の基礎理念 (宝飾品や電子機器などの消費財の需要が高まると、金の価格も上がる) に影響を受ける。

 

財産の保護

2000年代後半のような不景気な経済不況下では、金そのものの価値は無くならないことから、多くの人々が金に投資を始めた。経済が不安定な時期の金は、投資家たちにとって「安全な投資先」と見なされる。なぜなら債券株式、不動産などの投資に対して期待できるリターンが落ち込むと、金投資に対する関心が高まり金の価格が上昇するからだ。また金は通貨切下げやインフレ、デフレに対するヘッジにもなり得る。これに加えて、政治的不安定さから守ってくれるものとしても見なされている。

 

金の生産

世界の主な金産出国には、中国、南アフリカ、アメリカ、オーストラリア、ロシア連邦、ペルーなどがある。世界の金産出は、その価格、またその需要と供給に影響を及ぼす。しかしながら、2000年代初期から金鉱生産は全体的に落ち込んできている。その要因の1つとして、「産出が簡単な金」は既に採掘されてしまっていることが挙げられる。その為鉱山労働者は現在、上質の金を採掘するには深く掘ることを強いられている。

採掘が困難になるということは、鉱山労働者が体に悪影響を及ぼすかもしれないような劣悪な環境で危険に晒されながら働くことになる、という新たな問題を生んでしまっている。

要するに、より多くのコストをかけても少ない金しか採掘できないのだ。それが結果として金の価格を上げることになる。

 

中央銀行の金準備

中央銀行は紙幣と金準備を保有している。そしてその金準備を、外貨準備や分散投資、また地政学リスクやソブリンリスクを緩和するためなどの必要不可欠な役割として扱う。またワールド・ゴールド・カウンシルの調査によると、最近、中央銀行は金を売るよりも多く金を買い始めており、またこのようなことはここ数十年で初めて起きたことだ、と述べている。また、中央銀行が通貨準備に紙幣ではなく金を購入し、保有する金が増加することで金の価格増加に繋がる。

 

金を保有する主な8つの理由

  • 金は世界共通の通貨であり、価値の無くならない有形資産であるから。
  • 現物の金は倒産、破産、デフォルトに陥ったりしない確実なものであるから。
  • 危機の際、投資家たちはより安全な投資先として金を選び、それに伴って金の価格が著しく上昇するから。
  • 金地金は現金に換金することができ、また非常に持ち運びが簡単で家などに保管しやすいから。
  • 投資家たちは、個人として匿名で現物の金を買って保有することが出来るから。
  • 金は政府によって作られるわけでも、政府によってその価値が左右されるわけでもないから。
    今日、全ての政府が不換紙幣(円、ドル、ユーロ、ポンド、人民元など)を発行しているが、これは有形資産としての価値を持っておらず政府 (即ち法貨法) のみに管理される。つまり、政府によって左右されるものである。
    また歴史的に見て、政府は不換紙幣を発行しすぎる傾向にある。長期的に見ると、不換紙幣の価値は徐々に下がっていき最終的には価値がなくなることも考えられる。
  • 現在、政府と中央銀行は金を買い越しているため。言い換えると、大量買いをするが、あまり金を売らないということである。

 

金の購入の方法

現物の金

金を手近に置いておきたい人にとって、金地金 (金の延べ棒) や金貨を保有することは最良の方法である。

 

金貨

金貨は、金を保有するのに非常に一般的な方法である。個人投資家は、金貨を発行する国や民間法人から金貨を購入することができる。

以前は南アフリカ共和国造幣局が発行したクルーガーランドが世界一の流通量を誇っていたが、アパレルヘイト後は日本を含む世界各国で輸入が自粛されたことからその地位を失い、現在は世界各国の金貨が多く流通している。中でもカナダのメイプルリーフ金貨は最も流通量が多く人気である。

その他の普及している金貨として、アメリカのイーグル金貨、オーストラリアのウィーン金貨、中国のパンダ金貨がある。大口小口に関わらず、金貨は様々なディーラーに購入される。

 

金地金 (金の延べ棒)

金地金を所持することは、最も有利かつ安全に投資が出来る方法のうちの1つである。金貨と比べると、金地金投資には購入に必要な付加経費、例えば手数料がそれほど掛からない。また金地金は高い流動性を持っているので、現金に交換しやすい。

従って、ドルのインフレを避けるために多くの投資家が金地金に投資することを選ぶ。

 

その他の金の投資方法

金ETF (金価格連動型投資信託)

金ETFは2003年に誕生した金融商品で、手軽に金を手に入れる主流な方法の一つである。金ETFは、現物の金を買って貯蔵することなく、金の価格変動から投資家に利益をもたらす金融商品である。ETF (上場投資信託) は「資産のパッケージ」のようなもので、パッケージの中には株式債券、株価指数、コモディティ、オプションなどが含まれ、この「パッケージ」を売買する権利に投資をできるものとして市場に上場する。そして、この「パッケージ」の中の商品の価格変動が、ETFに反映される。ETFは近年人気を博してきており、 投資家たちが分散投資をするのに画期的な方法として確立している。また金ETFは、予測が難しいコモディティに直接関わることがなく、気軽に金に投資することが出来る方法である。

 

金先物

金先物とは、予め決めた日付に、前もって決められた金の総量と価格で購入する権利を、投資家が取引することである。先物は高い収益率を期待できる投資の一つであり、また、価格変動する市場に投資するには最良の方法である。しかし、ハイリスクハイリターンであるため、この方法で投資をするのは経験のある投資家に勧められるものである。

 

金鉱株

金鉱株に投資をするということは、金の需要に投資をするようなものである。産金会社の利益は金の価格と共に大きく変化するため、金の価格が上がるのと同時に、産金会社の株価も上がる。また逆も然りである。

 

金の投資信託

投資信託とは、資産運用会社が投資家たちから集めた資金を運用し、投資家は運用した際に生まれた利益の一部を得ることのできる金融商品である。金の投資信託には様々な選択肢があるため、金への投資方法を自由に選ぶことが出来る。また、投資信託は投資の専門家が管理することから、投資家が金に投資をするのに安全な方法とも言える。