先週末NYタイムの為替市場は、ドルが円とユーロに対して下落した。トランプ米大統領のロシアゲート疑惑への警戒感が強まったことで、米債買いが強まり米10年債利回りは一時2.22%まで低下。米金利低下をうけてドル円は6月22日以来の安値111.01円、ユーロドルが約1年11カ月ぶりの水準1.1683ドルまでドルが弱含んだ。ポンドドルは英のEU離脱交渉が難航する懸念が高まり、1.29ドル後半で伸び悩んだ。クロス円はドル円について行く形となり、ユーロ円が129円半ば、ポンド円が144円近辺まで弱含んだ。
 本日の東京タイムは先週後半の動きを引き継いで、ドルに対するネガティブ要因を背景にドル円の上値も限定的となりそうだ。トランプ米大統領を巡るロシアゲート疑惑は鎮静化にまだまだ時間がかかりそうだ。今週は24日に同大統領の娘婿・クシュナー大統領上級顧問、26日には大統領長男のトランプ・ジュニア氏と米大統領選時の選挙対策本部長マナフォート氏が米上院委員会で証言をする。大統領支持率が低下する一方のなか、疑惑がさらに深まるようであれば今後の政権運営にも支障が出てくるだろう。また、オバマケア代替法案が頓挫し、期待される経済政策も滞り、金利も再び低下傾向となると、ドルを買い進むことはなかなか難しいか。
先週末に発表されたシカゴIMM先物市場でのポジション状況(7月18日現在)では、円ショートが約1.5万枚積み上がり、ネットで約12.7万ショートまで増加している。ポジションの偏りもドル円の上値を抑えることとなりそうだ。テクニカルポイントでも、先週後半に支持となっていた111円半ばの90日移動平均線を下抜けしてきており、今後は抵抗水準となる可能性も高い。
現在のオーダー状況は、111.00円付近が買い、そこを割り込むとストップロス売りとなるが、110.80円付近が買い、110円半ばにも買いが観測されている。
ドルはユーロに対しても弱含み継続となるか。ユーロドルは約1年11カ月ぶりの高い水準で堅調な地合いを継続している。20日のドラギECB総裁の発言は慎重なものもありながら、量的金融緩和の段階的縮小に向けて含みをもたせた。米のロシアゲート疑惑の再燃もあり、ユーロドルの底堅さは継続している。高値水準での振り落としに警戒しながらも、上方向のバイアスは変わらずと思われる。

US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 4 2024 まで 5 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 5 2023 まで 5 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック