海外市場でドル円は、欧州の株式相場が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行し一時109.59円と日通し安値を付けた。
ユーロドルは予想を下回る米経済指標や米長期金利の低下、ポンドドルの上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入り一時1.1841ドルと日通し高値を付けた。
本日の東京時間のドル円は上値が限られるものの、大きく相場が上下するのは難しいか。本日は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表およびパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が行われることで、市場もリスクを大きくとるような地合いにはなりにくいだろう。ただし、FRB議長会見終了前に様々なリスクがあることで、市場が急変することには警戒しておきたい。
 特にアジア時間では株価の動きに注目したい。週初から中国のネット企業規制を警戒し中国・香港株が大幅に続落しているが、ようやくその影響が欧米株にも波及してきている。昨日のCME225先物は大阪取引所比で320円下落していることもあり、本日の日経平均も大幅反落が予想される。また、昨日は引け後にハイテク・ジャイアントやスターバックス、ビザなどの決算が重なる「スーパー・チューズデー」だったが、アルファベット以外は売り気配で引けている。この後のナスダック先物などの動き次第で、為替市場も上下する可能性がありそうだ。
なお、ホワイトハウスは「新型コロナウイルスのデルタ株による経済への著しい影響の兆候はない」としているが、デルタ株の感染拡大でバイデン米大統領は、連邦政の従業員と請負業者に対して、ワクチンの接種を行うか定期的な検査などを行う必要性について28日に発表を行うとされている。現時点では経済や市場の動きは限られているが、楽観的だった米経済の流れが変わる可能性もあることで警戒はしておきたい。
ドル円以外の通貨では、東京時間は豪ドルの動きに注目したい。本日は豪州から4−6月期の消費者物価指数(CPI)が発表される。原油価格や食品価格が上昇していることもあり、市場予想は前年同月比で+3.8%となっている。ここ最近は豪準備銀行(RBA)がハト派寄りの発言をしていることで、市場予想を下回った場合は豪ドルの売りが勢いづくかもしれない。特に隣国のニュージーランドの利上げ期待が高いことで、対NZドルの値動きには注意したい。
欧州通貨はポンドを中心に堅調な動きを見せているが、月末にかけてはユーロポンドを中心に月末のフィキシングなどのフローで右往左往することが予想される。中心となるのがフィキシングの時間になることで、アジア時間にトレンドを作るのは難しそうだ。

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