16日のNY外国為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の金利見通しで利上げ時期が前倒しされたことを背景にドルが上昇。ドル円は110.72円と4月以来の高値を更新し、ユーロドルは1.1994ドルまでユーロ安ドル高が進んだ。ユーロ円は132.69円まで下押しした。
本日の東京為替市場では、想定よりもタカ派だったFOMC金利見通しを受けてドルはNY市場に引き続き底堅く推移することが予想される。ドル円は年初来高値110.97円や20年3月以来の111円台が意識された値動きとなるか。もっとも東京時間は海外市場からの調整の場になることも多く、また、本邦輸出企業による円買い需要も警戒が必要だろう。
7時台のドル円のオーダー状況は、昨日高値の上から111円付近までは売りが優勢。ただし、節目の111.00円を上回るとストップロス買いも集まり始めた。111円台での売りオーダーは薄く、大台をしっかりと超えて行くようだと上値余地を更に試しやすくなるようにみえる。一方、下サイドは110円前半に少しずつ買いが入りつつあるが、本格的な買いは昨日安値から下109円後半からとなる。
FOMCの金利見通しに関しては、中央値で23年2回の利上げ想定や、22年中の利上げ見込みが前回3月の4人から今回は7人に増えたことはサプライズ。ただ、PCEインフレ見通しについては、21年末の中心値が前回から1%も上方に修正されたものの、22年と23年はそれぞれ3月見通しから0.1%の引き上げに留まった。
なお、注目されたテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)については、パウエルFRB議長は予備的な議論(talking about talking)をしたと述べている。
本日のアジア時間の注目イベントは5月豪雇用統計。失業率は4月から横ばいの5.5%、新規雇用者数3.00万人増と前回の3.06万人減をほぼ埋める人数が見込まれている。確かに豪労働市場回復への期待感は高まっているものの、FOMC後は豪ドルの地合いが弱いことから、予想より弱い結果への反応に警戒したい。
FOMC後に対ドルでの売りが目立ったのは米金利上昇に敏感に反応した新興国通貨。南ア・ランド(ZAR)やメキシコペソ(MXN)の1日の下落幅は1.8%だった。米金利動向次第では新興国通貨への売りが相場全般をリードする可能性もあり、この後の値動きにも目を向けておく必要があるだろう。

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