海外市場でドル円は、109.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。
ユーロドルは、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「刺激策を早期に終了することは継続することよりもリスクが高い」と発言すると、1.1951ドル付近まで下押ししたものの、ダウ平均が一時230ドル超上昇し、取引時間中の過去最高値を更新するとリスク・オンのドル売りが優勢となり、1.1987ドルと3月18日以来の高値を付けた。
本日の東京時間のドル円の上値は限られるものの、109円前後での取引となるか。109.00円に本日と明日16日に期限を迎える大きめのオプションがあることで、ドル円の動きは欧米時間には極端に狭くなっている。ドル円は本日の東京時間でも大きな動きを期待するのは難しく、オセアニア通貨や欧州通貨に連れた値動きになると思われる。
東京時間の午前に黒田日銀総裁が日銀支店長会議であいさつを行うことや、午後には日銀の地域経済報告(さくらレポート)の発表が予定されているものの、日銀関係で市場が大きく動くのを期待するのは難しいだろう。むしろ、本日から菅首相が訪米を行い、明日日米首脳会談が行われることで、日米首脳会談への注目度合いの方が高そうだ。麻生財務相が一昨日「財務長官とは為替について数年話したことはない」と発言しているように、米国政権が変わったとはいえ為替市場に関しては議題にもならないか。注目は対中関係をめぐることに進展があった場合で、状況により株式及び為替市場が動意づく可能性はある。
米国からは引き続き米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の血栓問題などのニュースが東京時間にも発表されるリスクもあることで、引き続きワクチンの安全性の状況などにも目を向けておきたい。
ドル円は大きな動きを期待できないものの、本日は豪州から3月の雇用統計が発表されることで、豪ドルの動きは大きくなるかもしれない。
 2月の雇用統計では失業率は5.8%と1月の6.4%から大幅に改善されるなど、労働市場は好転した。先週の豪準備銀行(RBA)理事会は「失業率は依然として高過ぎる」と声明文で公表したが、2月の大幅改善のトレンドが3月も継続された場合は、豪州経済にとって好要因になるだけでなく、RBAも雇用について今後は楽観的になる可能性もある。なお、13日発表された豪州の週間雇用および賃金は、前年比で雇用は1.0%上昇し、賃金も2.1%上昇している。昨日もオセアニア通貨は大きく動き、豪ドルとNZドルはともに対ドルで100Pips以上、対円では1円以上上昇していることで、ボラタイルな動きが期待できそうだ。
欧州通貨は一昨日にレンジをブレークしたことで堅調地合いが期待できる。ただし、東京時間に欧州通貨が大きくレンジを超えて動いた時には、欧州入り後にその動きを否定する方向に動くことが多い。トレンドは欧州通貨買い基調は変わらないだろうが、東京時間は動意薄のほうがトレンドを継続する可能性は高い。

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