3日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比784.56ポイント(2.70%)高の29880.42ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が304.89ポイント(2.68%)高の11666.24ポイントとそろって急反発した。売買代金は1850億2300万香港ドルに縮小している(2日は2327億2500万香港ドル)。<br/><br/><br/>金利高警戒の後退が買い安心感を誘う流れ。米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は2日、米経済は回復しつつあるとしたものの、現行の大規模な債券購入ペースを落とすには時間がかかるとの見解を示した。金融緩和が長期化するとの見方が再び広がる中、急ピッチな金利上昇も抑制されると分析されている。また、中国で昼前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)に関しては、翌日物から1年物まで全期間で低下した。新型コロナウイルスのワクチン普及にも期待感。中国の感染症研究の第一人者で、国家衛生健康委員会の専門家チームを率いる鐘南山氏は、「足もとのワクチン接種率は中国全体の3.56%にとどまるものの、6月時点の40%到達を目指す」と述べた。香港の各指数は徐々に上げ幅を広げ、引けにかけて一段高となっている。(亜州リサーチ編集部)<br/><br/><br/>中国の金融セクターが上げを主導。招商銀行(3968/HK)が7.9%高、中国工商銀行(1398/HK)が5.8%高、中国建設銀行(939/HK)が5.6%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が5.2%高、中国平安保険(2318/HK)が3.3%高、中国人寿保険(2628/HK)が2.6%高で取引を終えた。<br/><br/><br/>非鉄・レアアースや鉄鋼のセクターも高い。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が33.0%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が13.2%、五鉱資源(1208/HK)が9.8%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.6%、江西銅業(358/HK)が6.3%、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が5.5%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.3%、鞍鋼(347/HK)と中国東方集団HD(581/HK)がそろって14.8%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が11.8%ずつ上昇した。市況高がプラス。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、アルミや銅、鉄筋など主要な素材が軒並み高で引けている。<br/><br/><br/>石油や石炭、天然ガスのエネルギーセクターもしっかり。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.6%高、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.9%高、エン州煤業(1171/HK)が8.5%高、中国中煤能源(1898/HK)が3.0%高、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が4.1%高で引けた。<br/><br/><br/>経済活動の正常化で恩恵を受けるカジノや空運、旅行代理店、ホテルなどレジャー関連も物色される。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が7.7%高、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が5.5%高、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が3.6%高、中国南方航空(1055/HK)が6.3%高、中国国際航空(753/HK)が3.2%高、東瀛遊HD(EGLホールディングス:6882/HK)が3.3%高、香港上海大酒店(香港上海ホテル:45/HK)が3.1%高と値を上げた。カジノ株に関しては、マカオ政府が2日、域内カジノ施設の防疫措置を緩和する方針を明らかにしたことも材料視されている。<br/><br/><br/>本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.95%高の3576.90ポイントで取引を終了した。金融株が相場をけん引する。素材株、エネルギー株、消費関連株、空運株、インフラ関連株、医薬品株、不動産株なども買われた。半面、半導体株は安い。防衛関連株も売られた。<br/><br/>亜州リサーチ(株)<br/><br/>

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