23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均の下落を背景にしたリスク・オフのドル買いで105.43円まで上昇後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて105.06円付近まで反落した。ユーロドルはダウ平均が一時360ドル超下落し、ナスダック総合が4%近く急落するとリスク・オフのドル買いで1.2135ドルまで軟調推移。ポンドドルは、英国でのロックダウン(都市封鎖)の段階的な緩和が3月8日から開始されることによる英経済正常化への期待感から1.4117ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、パウエルFRB議長の議会証言を受けた米10年債利回りの反落が上値を抑える展開が予想される。
パウエルFRB議長は、半期に一度の議会証言で、「経済は金融当局の雇用と物価の目標達成からは程遠い状況にあり、一段と顕著な進展を遂げるまでにはしばらく時間がかかりそうだ」と述べ、金融当局として米経済への支援を弱める時期からは程遠いとの認識を示した。そして、月額1200億ドルの債券購入を最大限の雇用と物価安定に向けて「一段と顕著な進展」が見られるまで継続することを示唆した。パウエルFRB議長の発言を受けて、米10年債利回りは、22日の1.39%台から1.34%台まで低下しており、ドルの上値を抑えている。
10時に発表されるニュージーランド準備銀行(RBNZ)の政策金利発表では、政策金利0.25%での据え置きが予想されている。11時からは、オアRBNZ総裁の記者会見が予定されているが、NZドルが米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の格上げで上昇していることへの見解に要注目となる。
本日のドル円のオーダー状況は、上値には、105.50円にドル売りオーダー、超えるとストップロス買いが控えている。下値には、104.90円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売りが控えている。
ドル円は、酒田罫線法でトレンドの終了を示唆する「新値八手十手は酒田の骨子」での陽線新高値10手を数えた後、2月17日の高値106.22円から4手連続陰線で調整局面入りしている。また、14日間の相対力指数(RSI)は、2月5日の高値105.77円の時が69.3、17日の高値の106.22円の67.1となっており、価格は高値を更新したものの、RSIが更新できない「逆行現象(ダイバージェンス)」というダブル・トップの可能性が高まりつつある。ダブル・トップの完成確認は、2月10日のネック・ライン104.41円を下抜けた場合となる。また、ドル円の昨日の安値は104.92円だったが、上昇トレンドの起点の102.59円から103.33円を経由する支持線(本日104.94円)を下抜けない限り、現状の反落局面は、上昇トレンドの調整局面に過ぎないことになる。

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