19日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比125.61ポイント(0.46%)高の27655.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が103.42ポイント(0.96%)高の10908.57ポイントとそろって反発した。売買代金は883億6100万香港ドルに縮小している(18日は1013億8600万香港ドル)。<br/><br/>中国の経済政策に対する期待感が強まる流れ。中国商務部は18日、ウイルス感染拡大の影響を軽減するため、貿易や投資、消費の下支え策を導入すると表明した。また、あす20日に公表される2月分の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」(事実上の貸出基準金利)に関しては、3カ月ぶりの引き下げが確実視されている。<br/><br/>ハンセン指数の構成銘柄では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.7%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)と通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)がそろって2.0%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が1.7%高と上げが目立った。万洲国際に関しては、対米制裁関税の適用免除リストに豚肉も組み入れられたことがプラス。同社は国内のほか米国でも豚肉を生産し、一部を中国に輸出している。<br/><br/>セクター別では、中国の不動産が高い。上記した華潤置地のほか、万科企業(2202/HK)が2.3%、中国金茂HD(817/HK)が1.9%、世茂房地産HD(813/HK)が1.8%、龍湖集団HD(960/HK)が1.6%ずつ上昇した。<br/><br/>中国の空運セクターもしっかり。中国東方航空(670/HK)が2.7%高、中国南方航空(1055/HK)が2.4%高、中国国際航空(753/HK)が1.3%高と値を上げている。「新型肺炎の影響を受けた空運各社を支援するため、当局は資本の注入や業界大手主導の救済合併などに動く見込み」と関係者の話として伝えられた。<br/><br/>紙・パルプセクターも物色される。玖龍紙業(2689/HK)が8.9%高、山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が7.6%高、理文造紙(2314/HK)が4.6%高で引けた。中国本土では、17日午前0時(現地時間)から、全国の高速道路を含むすべての有料道路が無料化されている。物流コストの低減効果が大きいと分析された。<br/><br/>半面、非鉄株の一角は急落。コバルト生産などの金川集団国際資源(2362/HK)が9.0%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が8.7%安と値を下げた。米テスラ(TSLA/NASDAQ)はコスト削減を狙ってコバルトフリー動力電池を採用するもよう——との報道が嫌気されている。<br/><br/>一方、本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32%安の2975.40ポイントで取引を終えた。非鉄株が安い。テレワーク関連株、医薬品株、IT関連株、海運株なども売られた。半面、空運株は高い。金融株、不動産株、消費関連株、防衛関連株、産金株、インフラ関連株の一角も買われた。<br/><br/>【亜州IR】<br/><br/><br/>

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