基本的に、日本は長期的な国家戦略として、どのような未来・運命を求めるかによって対応が変わると推測する。日本とイランの関係は歴史的にみても悪いものではないが、日本が自分自身の未来をどう定めたいかによってこの関係性のニュアンスも変化する。<br/><br/>アメリカと完全に組む場合は、イランの政権転覆に積極的に手を貸して、次の政権候補と仲良くしながら、アメリカにも恩を売って双方からおこぼれを貰うのが選択肢の一つ。<br/><br/>アメリカとは組むが、イランとの関係を考慮しながらあまり深入りしない場合は、これまで同様のこうもり外交を続けることになろう。一応アメリカとイランを結ぶものとして、日本の存在価値を高めることを期待するという方針が主な外交カードだと見られる。石油価格の高騰もあり、より積極的なこうもり外交の選択肢として、イランから安く輸入できるというカードでアメリカに譲歩を迫り、逆にアメリカが何らかの便宜を図ってくれるのならイランに価格の更なる譲歩を求めるということが考えられる。<br/><br/>日本がより強く自主独立路線を突き進む場合は、アメリカの求めることとは違い、より強くイランとの関係を深めるか、関係国の思惑を完全に外し、第三極としてふるまい、日本の影響力がより強く行使される団体を支援することが考えられるが、「日本のより強い自主独立路線」の現実性に対してはコメントしづらいのが現状である。<br/><br/>地経学アナリスト 宮城宏豪<br/>幼少期からの主にイギリスを中心として海外滞在をした後、大学進学のため帰国。卒業論文はアフリカのローデシア(現ジンバブエ)における経済発展と軍事支出の関係とその周辺の要因についての分析。大学卒業後は国内大手信託銀行に入社。現在、実業之日本社に転職し、経営企画と編集(マンガを含む)も担当している。歴史趣味の延長で、日々国内外のオープンソース情報を読み解いている。<br/><br/>

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