12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領がニューヨーク・エコノミッククラブでの講演で、中国との貿易交渉について「第1段階の合意は署名が間近だ」と強調した一方、「合意できなければ関税を大幅に引き上げる。25%の関税を全て受け取るのも悪くはない」と述べたことで、109.24円付近から108.92円まで弱含みに推移した。ポンドドルは、英総選挙を巡る調査会社ユーガブの世論調査で、英与党・保守党の支持率が42%となり、最大野党・労働党(28%)に14ポイントのリードを広げたことで1.2874ドルまで上昇した。
本日の東京市場のドル円は、香港情勢や今夜予定されているパウエルFRB議長の議会証言やトランプ米大統領の弾劾審理に関する公聴会への警戒感から上値が重い展開が予想される。
トランプ米大統領は、エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでの講演で、「中国との包括的貿易合意の第1段階がまとまらない場合は、対中関税を大幅に引き上げる」と述べた。中国側も、トランプ米大統領の発言は嘘に満ちている、と批判しており、米中通商部分合意に向けて予断を許さない状況が続くことになる。
本日は、10時にニュージーランド準備銀行(RBNZ)が政策金利を0.75%に引き下げることが予想されており、11時のオアRBNZ総裁の記者会見で追加利下げが示唆された場合、NZドル円の売りを通じて、ドル円の上値を抑える要因となるため要警戒か。
また、本日は、パウエルFRB議長が両院合同経済委員会で証言する。10月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、金融政策の進め方について従来の「適切に行動する」から「適切なFF金利のパスを見極めて行く」に変わり、予防的利下げの休止が示唆された。しかし、パウエルFRB議長が、インフレ率の上昇がない限り利上げはない、と表明したことで、当面の利上げの可能性は排除された。
FOMC後に発表された米10月の非農業部門雇用者数(9月+18.0万人、10月+12.8万人)やISM製造業景気指数(9月47.8、10月48.3)は、米国経済の底堅さを示しており、ダウ平均の史上最高値更新に反映されている。しかし、ISM製造業景気指数は50を下回ったままであり、リセッション(景気後退)の先行指標となる景気先行指数や消費者信頼感指数は低下基調にあり、9月のPCEコア指数のインフレ率も前年比+1.7%で、8月の+1.8%から低下基調にある。さらに、パウエルFRB議長が不確実性と見なしている米中通商協議も不確実のままであることで、議会証言で最新の見解を見極めていくことになる。
さらに本日は、トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡り、米下院情報特別委員会で公聴会が開催され、ジョージ・ケント米国務次官補代理とウィリアム・テーラー駐ウクライナ代理大使の証言が予定されている。トランプ米大統領にゼレンスキー・ウクライナ大統領への圧力を勧めたジュリアーニ元NY市長の召喚も予定されている模様で、予断を許さない弾劾審理が続くことになる。
本日は、トランプ米大統領が「1962年通商拡大法232条」による自動者関税の発動を決断する期限となっている。ロス米商務長官は先送りの可能性を示唆しており、半年先送りの公算(米政治メディア「ポリティコ」)と報じられているものの、「トランプ米大統領はEU自動車関税の判断を先送りしない可能性がある」との報道もあり要警戒か。

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