NY外国為替市場でドル円は反発。中国商務省は日本時間夕刻に「米中両国が協議の進み具合に合わせ、追加関税を段階的に撤廃することに同意した」と発表。欧州時間から株高と円安が進んだ。
NYの取引時間帯に入ると、米政府当局者が「米中協議の『第1段階』合意には段階的な関税撤回が含まれる」との見解を示したと伝わり、一時109.49円と5月31日以来の高値まで上値を伸ばした。
ただ、関税を段階的に撤廃することについて「米政権内には強い反対論があり、まだ決定していない」との一部報道が伝わると、米国株や米長期金利が上昇幅を縮小。ドル円にも売りが出て一時109.16円付近まで下押しした。
ユーロドルは、前日の高値1.1093ドルの上抜けに失敗すると失速した。米中貿易協議の進展期待を背景に米長期金利が大幅に上昇するとユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1036ドルと10月16日以来の安値を付けた。
本日の東京市場のドル円は、109円台を中心に底堅い動きとなるか。米中協議の第1段階合意は市場では織り込みつつある。株式市場も最高値を更新し、米金利も1.92%台まで上昇している。
ドル円も堅調に推移していることを考えると、ほぼ合意について市場は織り込んでいるといえよう。今後の焦点は関税の撤廃の有無になり、関税をめぐるヘッドラインで相場が動意づくことになりそうだ。
リスク要因は、トランプ米大統領のウクライナ疑惑に関する弾劾調査になる。日本での報道はそれほど大きくはないが、米国紙では継続して疑惑が報道をにぎわしている。
ボルトン前国家安全保障顧問も証言をすることに同意しているとの報道もあり、今後は元トランプ政権の側近から様々なリークが出てくることも予想され、予断を許さないだろう。
オーダーや日中のフローとしては、ドル円のショートで挑んでいる市場参加者も少ないことで、109円台や節目の110円前後では売り意欲が依然強い。しかしドル円相場が大きく崩れるのは、米株式市場が暴落しない限り難しく、当面108円台の買い意欲も強そうだ。
ドル円以外では、東京時間はオセアニア通貨の動きに目を配りたい。本日は豪準備銀行(RBA)四半期金融政策報告が公表され、豪州経済に影響を与える中国からは貿易収支の発表も予定されている。
RBAと中国からの発表でのオセアニア通貨の動きには警戒が必要になる。特に豪ドルは来週経済指標で一番注目度が高い、豪雇用統計の発表も控えているため、豪ドルのポジション調整の動きが出てくる可能性もある。

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