NY外国為替市場でドル円は、しばらくは109.00円を挟んだ狭いレンジ取引が続いていたが、米政府高官の話として「米中の第1段階の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性がある」と伝わると、米国株の失速とともに円買い・ドル売りが優勢となった。
米10年債利回りが1.80%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時108.82円と日通し安値を付けた。
ただ、米国株が引けにかけて下げ幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入り、109.00円まで下げ渋った。対ポンド中心にドル高が進んだ影響も受けた。
ポンドは英総選挙を巡る調査会社ユーガブとスカイニュースによる世論調査で、英与党・保守党の支持率が36%と前回から2%低下したと伝わるとポンド売りが活発化。ポンドドルは一時1.2844ドル、ポンド円は139.88円、ユーロポンドは0.8617ポンドまでポンド安に振れた。
本日の東京市場のドル円は、109円近辺を中心としたもみ合いに終始するか。米中の通商交渉合意が遅れそうだが、決して破談になっただけではないことを考えるとドル円が通商問題で大きく崩れることは現時点ではなさそうだ。
ただし、9月短観で発表された大企業・製造業で1ドル=108円68銭を超えていることもあり、昨日の東京時間の動きを見ていてもわかるよう、本邦のドル売り意欲は強く、あくまでも109円台での上昇スピードは緩やかになると思われる。
リスク要因は、トランプ米大統領のウクライナ疑惑に関する弾劾調査が進んでいることだ。トランプ氏の巨額献金者の駐EU大使がトランプ氏に不利となる証言をしており、徐々にではあるがトランプ氏の求心力が崩れてきている。
アラバマの州知事選では接戦ながら現職の共和党知事が敗北し、他の地方選挙でも共和党の苦戦が伝わっている。世論のトランプ離れが進むと、共和党も泥船からようやく降りることを決意し、弾劾にむけた道に進む可能性もある。
ドル円以外では、ポンドの動きに注目したい。昨日は世論調査の動向で、ポンドは上下した。14日の候補者推薦の締め切り、16日の選挙区候補者リストの公開を前にブレグジット党をはじめ選挙の行方に影響を与える可能性が高い政党との、保守党と労働党による選挙後連立などの水面下の動きには警戒だ。
また、本日は英中銀(BOE)金融政策委員会(MPC)2日目で、終了後に政策金利発表、MPC議事要旨公表、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)の公表という、いわゆるスーパーサーズデーにあたるため、BOEの公表内容でもポンドは動意づくことになりそうだ。

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