15日のニューヨーク外国為替市場でポンドは、英国と欧州連合(EU)の離脱案合意の可能性を受けて全面高となり、対ドルで1.2800ドル、対円で139.32円まで上昇した。ドル円も、ダウ平均が330ドル超上昇、日経平均先物が370円上昇したことで108.90円まで上昇した。
本日の東京市場のドル円は、ニューヨーク市場のリスク選好地合いを受けて堅調推移が予想される中、引き続き米中通商協議の「第1段階」としての「部分合意」に関連する要人発言などのヘッドラインに警戒する展開が予想される。
「第1段階」の米中通商「部分合意」では、米国側は、中国が米国産農産品(400-500億ドル)を購入する、と表明しているものの、昨日は、中国関係筋の話として、米国に対する報復関税を維持する限り年間500億ドル相当の米国産農産物の購入は難しい、報復関税を撤廃する条件は、トランプ米大統領が関税を撤廃することだ、との報道が伝わっており、本日も関連する続報に要警戒となる。
ドル円のテクニカル分析では、10月3日の安値106.48円を起点に陽線新高値6手を数えており、上昇トレンドの可能性が高まりつつある。しかしながら、9月18日の高値108.48円から10月15日の高値108.90円と高値更新したものの、相対力指数(RSI)は9月18日の66.06から10月15日の65.61まで高値を更新できずに低下していることで、上昇エネルギーの枯渇を示唆する「逆行現象(ダイバージェンス)」となっており要警戒か。上値の攻防の分岐点は、200日移動平均線の109.07円、8月1日の高値109.32円となる。また、9月日銀短観での大企業・製造業の2019年度想定為替レートが108.68円だったことで、本邦輸出企業からのドル売りオーダーが108.90円から109.50円まで控えている。
「第1段階」としての米中通商「部分合意」は、約5週間後の11月16-17日のAPEC首脳会議に併せて開催される米中首脳会談で、トランプ米大統領と習中国国家主席が署名する見込みとなっている。中国サイドは、「第1段階」の合意署名前にさらなる交渉を要請しており、今週は米中次官級通商協議、来週は、電話での米中閣僚級通商協議が開催される予定、と報じられている。
リスクシナリオとしては、昨年12月1日にG20首脳会議に併せて開催された米中首脳会談で最終合意に到達しなかったことで、ダウ平均がクリスマスにかけて4000ドル程度下落したリスク回避相場の再現となる。米中首脳会談では、中国側が全ての関税の撤廃を要請したものの、米国側は、構造改革の交渉開始などを盾にして、関税率の10%から25%への引き上げを留保しただけだった。
トランプ米大統領は、「今回の合意内容が文書化されるまで署名しない。今回の合意が今後数週間で白紙に戻るとは考えていない」と述べつつも、「可能性はある」と警告している。

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