NY外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領がツイッターに「中国との貿易交渉で良いことが起きている」と投稿すると、米中通商交渉の進展期待が高まった。米10年債利回りが1.76%台まで上昇し、ダウ平均が500ドル近く上げると円売り・ドル買いが活発化。ナイト・セッションの日経平均先物が440円上昇したことも追い風となり、一時108.63円と8月1日以来の高値を付けた。
ユーロドルはポンドドルの上昇につれたユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1063ドルと欧州時間に付けた日通し高値に面合わせしたが、上抜けることは出来なかった。そのあとは1.10ドル台半ばでのもみ合いに終始した。
本日の東京市場のドル円は、堅調に推移するか。中国が大豆など米農産品の購入増を約束し、米国が来週15日に予定していた対中関税の引き上げを見送る方針を表明したことで、米中貿易戦争がひとまずは休止した。今後に関しては12月に計画されている、米国による第4弾の中国への追加関税の行方など、難題は棚上げされたままのため予断は許せない。トランプ大統領にとっては、ウクライナに関する弾劾調査の進展により、対中政策も変更する可能性があるため、米国内の政治状況次第でこの先を見通すのは難しい。このような不安材料は依然として残るものの、ブレグジットも楽観論が流れている中で、米中貿易摩擦の激化懸念が和らいだことで、市場のリスクオン・センチメントが強まり、ドル円は108円台で堅調に推移しそうだ。
なお、本日は日本が体育の日で休場だが、米国もコロンブスデーで債券市場が休場、カナダも感謝祭で休場ということもあり、市場の流動性は悪くなるだろう。
ドル円以外では引き続き、ポンドがボラタイルな動きを見せそうだ。先週金曜日は対ドルでは一日だけで300Pips弱の大相場となった。金曜日は、バルニエ英EU離脱・欧州委員会首席交渉官とバークレー英・EU離脱担当相によるブレグジット交渉後、バルニエ氏が会談後に「法的文書の草案作成作業に入るための十分な進展があった」とEU27カ国の代表に説明したと報じられると、英国の合意なきEU離脱の懸念が後退し、ポンドの買い戻しが加速した。
今週はブレグジット関係で山場を迎える。本日はエリザベス女王が政府の施政方針を演説し、明日からEU総務理事会、そして17-18日にEUサミットがはじまる。過度に楽観視するのはいささか危険かもしれないが、現時点では合意に達するという見方が強まっていることもあり、ポンドは底堅い動きとなりそうだ。ただし英各紙のヘッドラインや、欧州・英国の政治家の発言など、些細なニュースや発言であっても乱高下するためポジションをマネージするのは難しくなりそうだ。

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