9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、中国が米国との貿易協議で「部分合意」に前向きとの報道、「中国は米中貿易摩擦の解消に向けて、米農産物の年間購入を拡大することを提案する」との報道を受けて、米中対立への懸念が和らぎ、107.63円まで上昇した。しかし、中国政府が、米政権がウイグル族人権侵害で中国の28法人をブラックリストに掲載すると表明したことを受けて、交渉進展の期待を弱めている、との報道で伸び悩む展開となった。ユーロドルは、1.0990ドルから1.0968ドル付近まで軟調推移。
本日の東京市場のドル円は、本日からの第13回米中通商協議への警戒感から上値が重い展開が予想される。
ドル円のテクニカル分析では、9日のニューヨーク市場の終値107.48円は、一目・転換線、すなわち、過去9日間の高値108.17円と安値106.48円の中心値となっている。今週のドル円は、7日には「中国側は米国との通商合意に向けて協議の範囲を狭める模様」との報道を受けて106.57円まで下落、9日には、「中国が米国との貿易協議で部分合意に前向き」との報道を受けて107.63円まで上昇しており、転換線107.48円での終値は、相場の逡巡を示している。
トランプ米大統領やナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)が、中国との『部分合意』は望まない、と述べており、中国側が『部分合意』に前向きでも、「暫定合意」に到達することは難しいのではないだろうか。さらに、週初の米中次官級通商協議では、主要な通商問題で進展がなかった、との報道、中国代表団が合意の可能性が低いとして11日中に帰国予定、との報道も懸念材料となっている。
第13回米中通商協議(10-11日)に関するポジティブな報道は以下の通り。・クドロー米国家経済会議(NEC)委員長発言「米中通商協議は進展する可能性」・中国側は工程表を準備する用意があり、『部分合意』に前向き・中国側は米国産農産物の輸入を拡大再開する・トランプ米大統領発言「中国との貿易協定の合意の可能性ある」・中国政府がブラックリスト掲載への報復措置を「乞うご期待」と警告 ネガティブな報道は以下の通り。・ナバロ米大統領補佐官(通商担当)発言「中国と重要な合意を得るか、合意なしかだろう」・トランプ米大統領は「部分合意」「悪い合意」は望まない・香港問題に関して、米上下両院外交委員会が「香港人権・民主主義法案」を可決、トランプ大統領が人道的な解決策を要望・中国側は米国との通商合意に向けて協議の範囲を狭める模様・米政権が少数民族ウイグル人対する弾圧が終わるまで中国当局者への査証発給を制限・米政府が中国企業28社を禁輸リスト「エンティティー・リスト」に追加・米中次官級通商協議では主要貿易問題で進展がなかった

Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 3 2024 まで 4 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 4 2023 まで 4 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック