1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米ISM製造業景気指数47.8やトランプ米大統領の発言「米政策金利は高過ぎる。強いドルは米製造業に打撃を与えている」を受けて、欧州時間の高値108.47円から107.63円まで下落した。ユーロドルは、欧州時間の安値1.0879ドルから1.0943ドルまで上昇した。
本日の東京市場のドル円は、欧米中日の景気減速懸念やトランプ米大統領のドル高牽制発言を受けて上値が重い展開が予想される。
昨日発表された9月調査の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断は+5となり、3四半期連続で悪化し、2019年度想定為替レートが108.68円となり、6月の109.35円から円高・ドル安水準となった。年末に向けてドル円相場が108.68円以上になれば、本邦輸出企業からのドル売り圧力が強まることになる。
一方で、世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2019年度の運用計画を変更し、外債投資が拡大することで円安要因となった。GPIFは、為替差損の回避措置(ヘッジ)を講じた外国債券について、乖離許容幅の上限が近づいている外債の資産構成割合ではなく、国内債券に算入すると発表した。6月末の時点の外国債券の運用残高は、29兆30億円で、18.05%と乖離許容幅の上限である19%に近づいていたが、今回の変更により、外債投資が拡大することになる。しかしながら、ヘッジ無しの外債投資は、ドル円が100円を割り込んだ場合、ヘッジ売りの必要性が高まることで、円高加速要因となる。
ドル円のテクニカル分析では、9月18日高値108.48円と19日高値108.47円で、「ツーデイ・リバーサル」「抱き線(アウトサイド・デイ)」を示現して、4手連続陰線で反落、一目・雲が支持帯となり、4手連続陽線で反発したものの、1日は高値108.47円まで続伸した後に「抱き線(アウトサイド・デイ)」で反落しており、トリプル・トップを形成している。すなわち、今年の高値112.40円から安値104.46円までの下落幅の半値戻し水準108.43円が攻防の分岐点となっている。
トランプ米大統領は、「米政策金利は高過ぎる。強いドルは米製造業に打撃を与えている」とドル高牽制をしており、10月10-11日の第13回米中通商協議や11月13日が期限の「米国通商拡大法232条」による対欧州・日本への自動車関税引き上げへの警戒感がドルの上値を抑えることになる。

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