NY外国為替市場でドル円は反発した。前週末にトランプ米大統領が不法移民問題についてメキシコと合意に達し、メキシコに対する関税発動を無期限で延期すると述べたことを背景に、ドル円は日本時間夕刻に一時108.72円と日通し高値を付けた。ただ、ニューヨーク市場に限ればじり安の展開だった。
トランプ米大統領が「もし習・中国国家主席がG20サミットに参加しなければ、中国への追加関税は直ちに発動されるだろう」と述べたことなどが相場の重しとなったほか、「ニューヨーク市マンハッタンの高層ビルの屋上にヘリコプターが衝突」とのヘッドラインに円買い・ドル売りで反応し一時108.32円と日通し安値を付けた。
ユーロドルは、欧州市場序盤に一時1.1290ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げる展開に。ユーロポンドやユーロ豪ドルなどユーロクロスの上昇につれた買いが入り、3時過ぎに一時1.1325ドル付近まで値を上げた。
本日の東京市場のドル円は、108円台でのレンジ取引か。昨日は週末のメキシコ関税回避のニュース後だったことで、株式市場の上昇やリスクオン相場を期待していた市場参加者が多かった。実際に株式市場は上がり、債券は売られ、若干ながらリスクオンに傾いたものの、小幅な動きに終始した。
ドル円に関して言えば、株価上昇、米金利上昇にもかかわらず上げ幅がわずかだったことを考えると、ドル円の地合いはまだ弱いといえよう。
メキシコの問題も昨日ポンペオ米国務長官が「移民対策について十分な結果を得られなければ、対メキシコ関税が現実味を帯びる」と発言しているが、現実的な成果が出るかは全く分からない。
報道で「自作自演」と非難されていることで、トランプ米大統領にとっても明確な成果が見られない場合は、厳しい姿勢をとらざるをえず、関税を避けることができない可能性がある。
また、メキシコ問題以外でも国際情勢のリスクは高まる一方なため、当面はドル円の上値を抑えることになるだろう。
一方、先週ドル円は3、4、5、7日に107.80円台まで下がったものの、107.80円を割り込まなかったことを考えると、余程サプライズがない限りこの水準を割り込むのも難しそうだ。また、本日は本邦からは5月マネーストックM2以外は主だった経済指標の発表も無いことで、値幅を広げて動くのは難しいだろう。
ドル円以外では、引き続きポンドが欧州通貨を引っ張ることになりそうだ。本日は東京時間夕刻に英雇用統計が発表されるほか、複数の英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演や議会証言が行われる。

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