NY外国為替市場でドル円は、対ユーロなどでドル買いが入った半面、クロス円の下落につれた売りが出たため相場はもみ合いとなった。3日には4月米雇用統計の発表を控えており、様子見ムードも広がった。
ただ、「米中貿易協議が行き詰った可能性がある」との中国メディアの報道を受けて、ダウ平均が250ドル近く下落すると、リスク回避的な円買い・ドル売りがじわりと強まり一時111.37円付近まで下押しする場面もあった。
ユーロドルは欧州時間に一時1.1219ドルと日通し高値を付けたあとは軟調に推移した。WTI原油先物価格が4%超下落したほか、銅先物価格が約2カ月ぶりの安値を付けるなどコモディティ相場が下落すると、対資源国通貨中心にドル高が進行。ユーロに対してもドル買いが優勢となり、5時30分過ぎに一時1.1171ドルと日通し安値を付けた。
資源国のクロス円は軟調。商品相場の下落を背景に資源国通貨とされるカナダドルや豪ドル、南アフリカランドなどに売りが出た。カナダドル円は一時82.67円、豪ドル円は77.96円、ランド円は7.65円まで値を下げた。産油国通貨とされるノルウェークローネも大幅に下落した。
本日の東京市場のドル円は、引き続き東京と中国が休場ということもあり、大きな動きは期待できない。また本日NY時間に米雇用統計の発表を控えていることも、値動きを狭めるだろう。
東京の休場も本日の憲法記念日と6日のこどもの日の振替休日のみとなった。この1週間、米株式市場は上下していたものの、東京の大型連休前の4月26日の大阪取引所の引け値は22250円だったが、昨日のCME先物の引けが22275円で、その差は+25銭程度でしかない。ドル円も4月26日のNY引け値が111.58円だったことを考えると、ほぼ同じ水準を中心に上下していることを考えると、大きな値動きを期待するのは難しそうだ。本日は上記のようにNY時間に入ると米雇用統計の発表があることで、ドル円の動きは限られるだろう。なお4月の米雇用統計は失業率の予想は3.8%(3月3.8%)、非農業部門雇用者数の予想は前月比+18.5万人(3月+19.6万人)と見込まれている また米中通商協議が遅々として進展が見受けられないことも、ドル円の値動きを狭める要因になる。昨日のNY時間では通商協議の行き詰まりとの観測報道が流れたが、来週8日からワシントンで閣僚級通商協議が再開されるのでドル円を一方的に売りこむのも難しい。
ドル円以外では3月の豪住宅建設許可件数が発表されることで、豪ドルを中心としたオセアニア通貨の動きには警戒したい。昨日資源国通貨が下落したことで、豪ドルは上値が重く推移している。豪ドル/ドルは1月3日の「フラッシュ・クラッシュ」でつけた0.6741ドルが年初来安値だが、この日の下落を年初来安値に含めない一部投資家の中では、0.6980ドル台が実質の安値としている。この重要な水準に近づいているため、指標次第では大きく動く可能性もありそうだ。また5月7日に豪準備銀行(RBA)の政策金利発表を控えていることも、豪ドルを神経質な動きにしそうだ。

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