NY外国為替市場でドル円は売りが先行。米連邦準備理事会(FRB)が昨日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り政策金利の据え置きを決めたものの、超過準備預金金利(IOER)を従来の2.40%から2.35%に引き下げた。このIOER引き下げにドル売りで反応し、3時30分前に一時111.05円と4月11日の安値を付けた。
ただ、パウエルFRB議長の定例記者会見が始まると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、一時111.61円まで上値を伸ばした。同総裁が引き下げたIOERについて「小幅な技術的調整。政策シフトではない」と述べ、「インフレ低下は一時的」「金利はいずれの方向にも動かす強い論拠が見られない」との見解を示したことが背景にある。
ユーロドルは米ISM製造業景気指数など低調な米経済指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。FOMCでIOERが引き下げられたことが分かると一時1.1265ドルまで上値を伸ばした。ただ、パウエルFRB議長が「IOER引き下げは技術的調整」「低インフレは一時的」との見解を示すと一転ユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.1187ドルと本日安値を付けた。
本日の東京市場のドル円は、香港とシンガポール市場は戻ってくるものの、引き続き東京と中国が休場ということもあり、大きな動きは期待できないが上値は重く推移するか。
昨日はFOMCとFRB議長会見前後で為替市場は激しく上下したが、クロス円もドル円も上値は限られた。ここ最近のドル円はドル買いのニュースや経済指標への反応が鈍いことを考えると、ドル円のセンチメントは引き続きダウンサイドに傾いているといえそうだ。本邦勢の売りオーダーは112円台が中心で、東京が休場となっていることもあり、ほとんどの売りオーダーが下がってきていない。そのような状況下にもかかわらず既に111円台後半が重くなっている。商品先物取引委員会(CFTC)の4月23日付けの先物のみのポジション状況は、円ショートが積みあがっていたことを考えると、円の買い戻しはしばらく続きそうだ。
ドル円以外ではNZドルとポンドの動きに警戒したい。昨日発表された1−3月期の就業者数がマイナスに転じたことでNZドルが急落したが、NY時間に入ると更に下げ幅を拡大している。来週8日のNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)にむけて利下げ観測が高まっていることで、再び乱高下しそうだ。ポンドはスーパーサーズデー(MPC政策金利発表、MPC議事要旨公表、四半期ごとのインフレリポート公表)を控えている。またカーニーBOE総裁の記者会見もあることで、欧州時間は乱高下する可能性があり注意を払いたい。

US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 2 2024 まで 3 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 3 2023 まで 3 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック