NY外国為替市場でドル円は、3月米卸売物価指数(PPI)が予想より強い内容だったうえ、前週分の米新規失業保険申請件数が約50年ぶりの低水準を付けて米労働市場の堅調さを示すと全般ドル買いが先行。
米10年債利回りが2.5077%前後まで上昇したこともドルの追い風となり、前日の高値111.28円を上抜けて一時111.70円まで上値を伸ばした。
ユーロドルは米労働市場の底堅さを示す指標や強いインフレ指標を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。米金利上昇に伴う売りも出て一時1.1250ドルと日通し安値を付けた。
ポンドドルは日欧市場ではもみ合いの展開が続いていたが、NY市場ではドル全面高となった流れに沿って一時1.3051ドルまで値を下げた。
本日の東京市場のドル円は、底堅い動きを予想するものの、大きくレンジを超えるのは難しいか。昨日111円後半までドル円は持ち直したとはいえ、3月5日に今年の最高値112.14円まで上昇した以後は112円に届いていない。
昨日の上昇も相場のトレンドを変えるような大きな出来事があったわけではなく、レンジ取引を想定している投資家や実需にとっては、手堅く売りを抑えてくることが予想できる。
また、来週15日から日米通商交渉がはじまることで、米国が強気で臨んで来る可能性も高いためリスクヘッジとしてドル売りをすることも考えられる。一部で為替条項に対して根拠のない安心感が広がっているが、日本の理論をトランプ政権が認めるとも思えない。
週末に通商交渉についての観測記事が出てくる可能性はあるが、日米の報道を比較することも重要になりそうだ。物品貿易協定(TAG)という言葉自体、日本だけで使用していることを考えると、日米間の報道にずれがある。東京時間とNY時間では市場の捉え方が変わる可能性もある。
本邦報道機関がTAGという言葉を使用しているのをみると、海外での報道の方が米国の意向を正確に伝えている可能性が高いため、海外の報道を読み解く必要がありそうだ。
本日のイベントとしては、3月の中国貿易収支に警戒したい。昨日の中国の経済指標では動きが鈍かったが、市場予想の70.5億ドル程度の黒字から大きくぶれた場合は、豪ドルをはじめ市場が動く可能性もある。

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