NY外国為替市場でドル円は、3月米消費者物価指数(CPI)発表後に一時111.28円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速。米金利低下に伴う円買い・ドル売りが入り一時110.84円まで値を下げた。
なお、3月19−20日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「リスクが年内の金利維持を正当化すると指摘」「金利見通しはどちらの方向にも変わる可能性」「ほとんどのメンバーは忍耐強さが必要と指摘」との見解が示された。
ユーロドルは小幅上昇した。欧州中央銀行(ECB)はこの日の理事会で市場の予想通り政策金利を据え置き、金利ガイダンスを維持した。ドラギECB総裁は会見で「マイナス金利政策によって生じ得る副作用の軽減が必要かどうかを検討」と述べたほか、景気に対する慎重な見方を強調した。
市場では「利上げ時期が一段と後ずれする」と受け止められ、独長期金利の低下とともにユーロ売りが優勢に。22時30分前に一時1.1230ドルと日通し安値を付けた。しかし、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも優勢となり、一時1.1279ドル付近まで持ち直した。
ポンドドルは底堅い動き。本日の臨時欧州連合(EU)首脳会議では、英国が求める離脱期日の再延期について、どの程度の延期をどのような条件のもとで認めるのか協議したうえで、最終的には2回目となる延期を承認するとみられている。
本日の東京市場のドル円は、引き続き上値は限定的か。米株式市場は主要3指数ともに上昇して引けたが、ドル円の重さは変わらない。世界景気に対する不安や、中東をはじめ地政学リスクが高いこともドル円の頭を抑えている。
昨日、米国がイスラエル・パレスチナ紛争の解決案を近々公表すると報じられたが、あくまでもトランプ米大統領やネタニヤフ・イスラエル首相が中心の提案であることで、中東各国が合意するとは考えられない。
むしろイスラエルに擦り寄る米国に対する反発が高まっていることで、逆効果になる可能性も否定できないだろう。特にネタニヤフ首相が再選を果たしたことで、中東政策がより強硬になる可能性も高まっている。
他の地政学リスクとしては、今日から投票が始まるインド総選挙でも、パキスタンに強硬姿勢を見せているモディ首相が率いる与党が優勢なことも、今後の地政学リスクを高めそうだ。
来週からはじまる日米通商協議で、日本が為替条項を拒否する考えを示しているとの一部報道がNY時間に流れた。しかし米国が今まで通商交渉を行った各国(中国、韓国、メキシコ、カナダ)との通商協議では為替条項を必ず加えてきたこともあり、協議が始まる前から難航が予想される。
ドル円以外では豪ドルの動きにまずは警戒が必要だ。昨日はデベルRBA(豪準備銀行)副総裁が市場予想よりハト派発言ではなかったことや、資源価格の上昇を支えに豪ドルは堅調に推移した。本日は豪経済に大きな影響を与える中国から消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表される。
指標結果次第で豪ドルは上下しそうだ。なお、豪総選挙は5月18日に行われると朝方発表されたが、これは予想通りの日付でサプライズはない。また、世論調査では、総選挙で与党が敗北する可能性がかなり高いという結果が出ている。
欧州連合(EU)の臨時首脳会合が依然として続いているが、報道では10月31日までの延期で合意と伝えられている。しかし、英議員の今後の動向でポンドが再び動くこともありそうだ。

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