NY外国為替市場でドル円は、原油先物価格の上昇を背景に、資源国通貨に対してドル安が進むと、円に対してもドル売りが先行した。
週明けのNY勢が全般ドル売りで参入したことも相場の重しとなり、一時111.28円と日通し安値を付けた。ただ、売りが一巡すると米長期金利上昇に伴う円売り・ドル買いが出たため111.54円付近まで切り返した。
ユーロドルは10日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて、ポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
3日の高値1.1255ドルの上抜けを狙った仕掛け的な買いも観測されて、一時1.1274ドルと3月27日以来の高値を付けた。もっとも、NY中盤以降は新規材料難から様子見ムードが広がり、狭いレンジ取引に終始した。
カナダドルは堅調。WTI原油先物価格が約5カ月ぶりの高値を更新するなか、産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。米ドルカナダドルは一時1.3305カナダドル、カナダドル円は83.80円までカナダドル高に振れた。
本日の東京市場のドル円は、111円半ばで方向感なく動くか。4月に入りドル円の1日のレンジは、4月1日の64銭が最大の値幅で、その後は21銭、37銭、34銭、26銭、49銭、と非常に小幅なレンジでの取引が続いている。
昨日のNY株式市場もまちまちで終わり、為替市場に影響を与える日経平均も小幅な値動きが予想できることで、ドル円もレンジから抜け出すのは難しそうだ。
その中でドルを動かす材料を探すと、中東情勢の緊迫化があげられる。リビアの内戦、米国によるイラン革命防衛隊のテロ組織指定、イスラエルの選挙、トルコのロシア製ミサイル購入など、今後大きな影響を与える可能性がある問題がくすぶっている。
これらの情勢ですでに原油価格が上昇していることもあり、米金利や為替への影響が徐々に出てくるだろう。
欧州からは政治的イベントが多数予定されている。朝方に英政府がブレグジットに関して「9日に労働党とEU離脱を巡る協議を再開する」との声明を発表したが、同日にメイ首相はメルケル独首相、マクロン仏大統領との会談も控えている。
すでに仏大統領はブレグジットの延長に対して拒否反応を示していることもあり、10日のEU首脳会議を前に、本日の会談の結果次第では欧州通貨が大きく動きそうだ。欧州連合(EU)・中国首脳会談も予定されている。
原油価格が約5カ月ぶりの高値を更新していることで、加ドルを中心に原油に敏感な通貨の動きにも注目したい。上記のように中東情勢だけでなく、米国がベネズエラへの制裁を強化していることも原油価格及び加ドルなどに影響を与えそうだ。
なお、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを本日発表する予定で、この見通し内容にも目を配りたい。

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