21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(-4.1)を受けて110.57円まで弱含んだ後、110.84円付近まで反発した。ユーロドルは1.1366ドルまで強含んだ後1.1321ドルまで反落した。
本日の東京市場のドル円は、ワシントンで開催されている米中閣僚級通商協議に関連するヘッドラインに要警戒となる。
米中閣僚級通商協議では、知的財産権・サービス・技術移転・農業・為替・非関税障壁をカバーした覚書(MOU)が準備されているとの報道があるものの、中国外務省報道官は「覚書に関する情報はない」と述べている。また、本日、トランプ米大統領と劉鶴中国副首相が会談するもようで、60日間の延長の可能性も含めて、合意に向けた進展期待が高まっており、本日もヘッドラインに要警戒となる。ただし、通商合意に中国人民元の安定、切り下げ禁止などが組み入れられた場合、日米通商協議でも「為替条項」が導入される可能性が高まることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
本日、米下院民主党の議員は、トランプ米大統領がメキシコ国境に壁を建設するために出した国家非常事態宣言を無効にするための決議案に提出する予定と報じられている。来週以降、3月1日の米法定債務上限の適用停止期限に向けて、米下院で非常事態宣言の無効を巡る審議が始まることになり、債務上限と非常事態宣言のどちらの審議も難航することが警戒される。16州が非常事態宣言を憲法違反だと提訴し、10名の上院共和党議員が無効案を支持する、と報じられており、トランプ米大統領自身が非常事態となりつつある。
本日発表される日本の1月のコア消費者物価指数の予想は前年比+0.4%と見込まれているが、黒田日銀総裁が「円高になり経済・物価に対して影響が出た場合、2%の物価目標達成に必要ならば追加緩和を検討する」と述べたことで、下振れた場合は要警戒となる。
ドル円の上値には、111.00円に26日のNYカットオプション、111.00-10円に断続的にドル売りオーダーが控えている。下値には、110.20円にドル買いオーダー、110.00円にドル買いオーダーと22日のNYカットオプションが控えている。
テクニカル分析では、一目均衡表・転換線の110.70円(2月14日の高値111.13円と2月15日の安値110.26円の中間水準)、21日のNY市場終値が攻防の分岐点となり、上回れば買い、下回れば売りに転換する。懸念材料は、2月14日に高値111.13円を付けた陰線を、これまでの5手でも埋め切れていないこととなる。

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