NY外国為替市場ではドル円は日本時間夕刻に一時110.09円まで上昇する場面があったが、4日に付けた年初来高値110.16円の上抜けに失敗すると失速。世界景気の減速懸念で欧州株やダウ先物が下落するとリスク回避的な円買い・ドル売りが入り、22時過ぎに109.61円と日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値109.56円が目先サポートとして意識されると徐々に買い戻しが入り下げ幅を縮めている。
ユーロドルは、欧州時間に発表された独経済指標が前日に続き低調な内容となったほか、欧州委員会がユーロ圏の経済成長率見通しを大幅に下方修正したためユーロ売りが先行。20時30分過ぎに一時1.1325ドルと1月25日以来の安値を付けた。
ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入った模様。
本日の東京市場のドル円は、小幅な値動きに終始するか。今週は110円に乗せる場面が何回もあったものの、ドル円は非常に狭いレンジで取引されている。本邦勢以外はクロス円には手を出すもののドル円相場には興味を失い、ドル円は蚊帳の外なのが現状だ。
ドル売り要因としてはクドロー国家経済会議(NEC)委員長が「米中通商協議で両国にはかなりの距離がある」と述べ、3月1日までの米中首脳会談の可能性がかなり低い状況なことがあげられる。
また、来週15日に米政府機関閉鎖の解除終了が迫っている。壁建設に関しても米与野党が歩み寄る姿勢が見えないことで、トランプ政権にとって内外ともに思うように物事が進まないことがドルの上値を抑えるだろう。
一方、ドル買い要因としては、オセアニア通貨や加ドルなど資源国通貨が弱いことで、今週市場をリードしている通貨に対してドルが強含んでいることがあげられる。これらの通貨が東京時間で再びドル買いになった場合は、ドル円も連れて動きそうだ。
ドル円以外では本日もオセアニア通貨の動向に気をつけたい。本日は豪準備銀行(RBA)四半期金融政策報告が公表される。
前回の報告では「インフレや雇用の見通しはある時点での利上げの可能性を意味している」と次の行動は利上げを示唆していたものの、「短期的に金利を変更する強い根拠はない」という文言を維持し、早期利上げを高める内容とはならなかった。
今回の政策報告は今週のRBA理事会後の声明文のような内容になるのか、またはその翌日に行われたロウRBA総裁の講演のようなハト派発言のようになるのか見極めたい。
なお本日から香港は休場明けだが、中国は引き続き休場になっている。

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