NY外国為替市場では、ドル円は日本時間夕刻に一時109.56円と日通し安値を付けたあとはじりじりと下値を切り上げる展開に。豪ドルやユーロ、NZドルに対してドル高が進んだ影響を受けたほか、米10年債入札後に全般ドル買いが進んだ流れに沿って110.04円まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値110.05円を上抜くことはできなかった。
ユーロドルは、12月独製造業新規受注が予想を下回ったことでユーロ売りが進行。
「欧州委員会は7日発表の経済見通しで2019年の伊成長率見通しを1.2%から0.2%に下方修正する可能性」との報道や、国際通貨基金(IMF)が「2019・20年の伊成長率見通しは1%以下」との見解を示したことも嫌気された。
本日の東京市場のドル円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演により上下することになりそうだ。昨日の一般教書演説に続いて米国のメインイベントが東京時間に行われることで、これらの結果次第の動きになりそうだ。
今週4日に議長はトランプ米大統領、ムニューシン米財務長官、クラリダFRB副議長との夕食会に参加。夕食会後、議長は「ここ最近の経済情勢や雇用や物価の見通しについて話し合った」とコメントしている。
先月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)後には「過度に高いインフレのリスクは減退したもよう」「FRBの忍耐が景気を支えることができる」「利上げの論拠はいくらか弱まった」とのべ、ドル売りになった。
本日もこの路線の発言を繰り返した場合は、ドルの上値が重くなるだろう。ドル円を買い支える要因は、オセアニア通貨をはじめドルは全体的に強含んでいること。ドル円自体は、本邦勢以外にとっては値幅も狭く蚊帳の外状態だが、全体的なドル買いの勢いがドルの下値を支えることになりそうだ。
ドル円以外では本日もオセアニア通貨の動きに注目が集まる。本日早朝に発表されたNZの10-12月期失業率や就業者数が市場予想より悪い結果となったことでNZドルが売られている。
昨日にはロウRBA総裁が「次の金利変更は利下げではなく利上げ」という発言を撤回し、「現在の政策金利見通しは一段と均衡している」「次は利上げも利下げもありえる」と発言したことで、オセアニア通貨は上値が重くなっている。
昨日の東京時間も、本日の早朝もオセアニア通貨が市場の動きを引っ張っているため、オセアニア通貨の動きには注意が必要だ。
なお、本日からシンガポールは休場明け、一方で中国、香港は引き続き休場になっている。

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