NY外国為替市場では、ドル円はモルガンスタンレーの決算が低調だったことで時間外のダウ先物が下落するとつれる形で円買い・ドル売りが入り、一時108.69円と日通し安値を付けた。
ただ、22時30分発表の1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が17.0と予想の10.0を上回り、前週分の米新規失業保険申請件数が21万3000件と予想の22万件より強い内容だったことが分かると徐々に強含んだ。
ダウ・ジョーンズ通信(DJ)が「米国は中国に課している追加関税の引き下げを議論」「ムニューシン米財務長官は関税の一部もしくは全部の撤回を提案している」と報じると、ダウ平均が260ドル超上昇し、ナイト・セッションの日経平均先物も260円上げた。
全般リスク・オンの動きが広がり円売り・ドル買いが強まると、ドル円は一時109.40円まで上値を伸ばした。
ユーロドルは時間外の米長期金利の低下などをながめユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1406ドルと日通し高値を付けたものの、良好な米経済指標をきっかけに一転下落した。米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の重しとなった。
市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが出た」との指摘もあり、一時1.1370ドルの日通し安値まで値を下げた。
ポンドは全面高。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感は根強いものの、「強硬離脱」や「合意なき離脱」は回避されるとの期待から、ポンドは底堅く推移した。
ポンドドルは一時1.3001ドルと昨年11月15日以来の高値を付けたほか、ポンド円は142.22円と12月19日以来の高値を更新した。また、ユーロポンドは0.8764ポンドと11月15日以来の安値を付けた。
本日の東京市場のドル円は109円台前半を中心とした動きとなるか。ドル円は連日続伸していることあり、年初につけた109.73円などを意識した動きとなる可能性もある。しかし、ここ最近の東京市場はフロー中心の動きになっているため、大きなトレンドを作って動くことができないだろう。
東京市場では大きなニュースなどが出ない限り、自分で決めたレンジで着実に売買を繰り返すほうが収益チャンスを得ることができそうだ。
米主要株式3指数とも続伸して引けたが、引け後に発表されたネットフリックスの決算が期待はずれだったことで、ネットフリックスは時間外取引で大幅に下落している。明日の米株式市場はこの結果を受けて下がる可能性もあることで、ドル円の上値を抑える要因にもなりそうだ。
本日の東京時間は12月の全国消費者物価指数や11月の設備稼働率、鉱工業生産確報などが発表されるが、国際的にも信頼を失いつつある日本の経済指標で市場が反応するのは難しいだろう。
ポンドはポジション調整の動きが激しく上げ幅を拡大している。依然としてリスクが高い通貨なため、来週月曜21日にブレグジット修正案を控えていることもあり、本日もボラタイルに動きそうだ。
また、昨日南ア準備銀行(SARB)は市場予想通り政策金利を据え置いたが、その後の会見で今年の成長見通しを下方修正したことや、タカ派姿勢が後退したこともあり南ア・ランドの動きにも目を配りたい。

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