NY外国為替市場ではドル円は米大手金融機関の好決算を受けてダウ平均が220ドル超上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢となった。
市場では「米マクロ系ファンドからの買いが観測された」との指摘もあり、5時30分前に一時109.20円と2週間ぶりの高値を付けた。この日発表の12月米輸入物価指数や1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想より強い内容となったことも相場の支援材料。
ユーロドルは日本時間夕刻に一時1.1425ドルまで上昇する場面があったものの、すぐに失速した。ユーロ圏経済の減速懸念が高まるなか、「欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め路線に対して、市場はやや懐疑的になりつつある」との声が聞かれ、21時前には一時1.1378ドルまで売られた。
ただ、ユーロ円が上昇した影響を受けたため、下値も限られている。
ポンドはしばらくもみ合いが続いたあと引けにかけて強含んだ。
英議会は15日、欧州連合(EU)離脱案を大差で否決。短期間での議会工作は困難との見方から、3月末に迫る離脱期限が先送りされるとの観測が広がりポンド買いにつながった。「EUはアイルランドを巡るバックストップ措置について譲歩する用意がある」との一部報道も相場の支援材料となった。
また、英議会はこの日、最大野党・労働党が提出した内閣不信任案の採決を実施し、賛成306、反対325の反対多数で否決した。「否決」自体は市場の予想通りだったが、結果が判明するとややポンド買いが優勢に。ポンドドルは一時1.2898ドル、ポンド円は140.71円まで値を上げた。
本日の東京市場のドル円は堅調地合いを維持か。
欧州株はブレグジット問題を抱える英FT100以外は上昇し、米株式主要3指数も続伸して引けた。米中通商摩擦や米政府機関の一部閉鎖など、今後はドル売りになる可能性が高い悪材料があるものの、市場はこれらの悪いネタに飽きてきたこともあり、ドルは底堅く推移しそうだ。
先週の高値109.09円を抜けたことで、年初につけた109.73円などを意識した動きとなる可能性もあるが、上記のように悪材料に鈍感になっているだけで、急に梯子が外される危険性もあることには留意しておきたい。
本日の東京時間は早朝にカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演する予定と、明日までG20財務相・中央銀行総裁代理会議が開かれることで、要人の発言には警戒したい。
ポンド相場は、昨日は「嵐の後の静けさ」で比較的狭いレンジで取引された。
21日までにメイ英首相がブレグジットの修正案を提出する予定となっていることで、再び欧州連合(EU)と英政治家から様々な発言が出てくることで方向感なく上下しそう。昨日の落ち着いた動きは「嵐の前の静けさ」の可能性が高そうだ。

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