8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的声明を受けて114.08円まで続伸した。ユーロドルは、欧州委員会が経済見通しで、2019年ユーロ圏成長率を下方修正し、19年のイタリア財政赤字が対GDP比で2.9%、20年が3.1%まで拡大すると予測したことが重しとなり、FOMC後に1.1352ドルまで下落した。
本日の東京市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的な声明を受けたNY市場の続伸を受けて、年初来高値の114.55円の上抜けを目指す展開が予想される。
懸念材料は、日経平均先物が下落していること、先日対日貿易赤字を批判したトランプ米大統領と安倍首相の本日の電話会談、本日の日銀の買いオペの減額懸念などが挙げられる。
ドル売りオーダーは114.20円、114.50円、114.80円、115.00円、ドル買いオーダーは、113.00円(割り込むとストップロス売り)、112.90円(割り込むとストップロス売り)に控えている。
FOMC声明は、トランプ米大統領による利上げ路線への批判や10月のニューヨーク株式市場の下落にも関わらず、力強い雇用の伸びと個人消費で経済は軌道から外れていないとして、緩やかな利上げ路線を継続する姿勢を強調している。
歴史的な株式市場の暴落は10月に起きており、10月の株式市場には魔物が住んでいる、と警戒されているが、今年10月も世界の株式市場の時価総額が、2008年9月のリーマンショック以来となる8.14兆ドル(80.134兆ドル⇒71.992兆ドル)も減少した。10年ぶりに魔物を目覚めさせた要因としては、トランプ米大統領が宣戦布告した米中貿易戦争とパウエルFRB議長による第8次追加利上げ(FF金利:2.00-25%)、中東の地政学リスクへの警戒感などが挙げられている。しかしながら、FOMC声明では、設備投資の伸び率が緩やかになった、とのハト派的な言及はあったものの、株式市場の下落に関してはまったく言及が無かったことで、「パウエル・プット」への期待感は無くなった。
今後の注目ポイントは、11月末に開催予定の米中首脳会談での通商協議、12月7日に期限を迎える米国のつなぎ予算後の米議会での駆け引きとなる。2010年秋のオバマ政権のねじれ議会では、翌年の債務上限引き上げと米政府機関閉鎖の駆け引きにより、8月の米国債格下げショックにつながった。トランプ米政権も、2019年3月1日までの債務上限引き上げを巡り、下院を制した民主党との駆け引きが警戒されている。
ユーロドルは、欧州委員会が経済見通しで、2019年ユーロ圏成長率を下方修正し、19年のイタリア財政赤字が対GDP比で2.9%、20年が3.1%まで拡大する、と警告したことで軟調推移が予想される。

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