8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は110.98円と前日NY終値(111.38円)と比べて40銭程度のドル安水準だった。中国政府が「米国への対抗措置として米製品160億ドルに関税を課す」と発表したことがドル円の重し。ユーロドルは続伸。終値は1.1610ドルと前日NY終値(1.1599ドル)と比べて0.0011ドル程度のユーロ高水準だった。ポンドドルの下落につれた売りが出たほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁のタカ派的な発言が相場の重しとなり、一時1.1573ドルまで下落した。カナダドル円は「サウジアラビアはカナダ資産の売却を開始」との一部報道が伝わると一時84.73円まで売り込まれたものの、「カナダはNAFTA(北米自由貿易協定)協議に早ければ来週から参加する」との報道をきっかけに反発した。
東京タイムでのドル円は海外市場の流れを引き継ぎ、上値の重い動きが予想される。7日に米国が中国に対し、同国からの輸入品160億ドル相当に25%の関税を上乗せする貿易制裁の第2弾を23日に発動すると発表した。これに対し中国は昨日、米国からの輸入品160億ドル、333品目に25%の追加関税を課すと発表。対象には燃料、鉄鋼製品、自動車、医療機器などが含まれ、23日に発動する。中国商務省の報道官は、「中国の正当な権利・利益を守るために反撃をせざるを得ない」と述べた。中国の対抗措置はサプライズでもなくなったが、米中貿易摩擦は激化する一方で、先行きの不透明感が引き続きドル円の上値を圧迫する。ただ、押し目買い意欲も根強く、7月下旬に下げ渋った水準である110円半ばがサポートとして意識されそうだ。
日米の新たな貿易協議(FFR)の初会合が現地時間9日にワシントンで開かれ、この会合への注目も、ドル円の動きを鈍らせる可能性はある。対日貿易赤字に不満を抱く米国が日本に日米自由貿易協定(FTA)の交渉を求める一方、日本は農産物の分野で譲歩を迫られかねないFTAは回避したい考え。トランプ政権が視野に入れている自動車・同部品の輸入制限の除外を求める方針だ。日本にとっては厳しい交渉になりそうだ。東京タイムでは中国の7月消費者物価指数や生産者物価指数などの発表が予定されている。

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