19日のニューヨーク外国為替市場でのドル円は、7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強かったことで113.17円まで上昇した後、トランプ米大統領が「金利上昇はうれしくない。ドル高は我々に不利益を与える」述べたことで112.06円まで急落した。米ホワイトハウス が「トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)の独立性を尊重」「トランプ米大統領はFRBの決定に干渉しない」との見解を示したことで112.52円まで反発した。
本日の東京為替市場は、今月末の日米通商協議(FFR)を控えて、トランプ米大統領のドル高へのけん制発言が上値を抑える展開を予想する。
トランプ米大統領は、11月の米議会中間選挙に向けて「アメリカ・ファースト」を標榜し、保護貿易主義を背景にした貿易戦争を仕掛けている。米中貿易戦争に対する為替市場の反応は、リスク回避のドル売りではなく、貿易相手国通貨(中国人民元、ユーロ、円、加ドル)売り・ドル買いという、有事のドル買い、すなわち、「アメリカ$ファースト」の様相を呈してきた。しかしながら、トランプ米大統領が、本音と思われる、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線に不満を示し、ドル高・中国人民元安に懸念を表明したことで、今月末に開催予定の日米通商協議(FFR)への警戒感が高まりつつある。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と茂木経済財政相による日米通商協議(FFR)では、鉄鋼・アルミニウム加えて自動車に対する関税賦課、さらに、ドル安・円高という米国の「伝家の宝刀」が抜かれる可能性が警戒されることになる。
ドル円のテクニカル分析での上値目処は、113.27円(118.66円-104.56円の下落幅の61.8%戻し)、114.69円(上昇三角形の目標値)などが挙げられる。酒田罫線法の「新値八手十手は酒田の骨子」では、昨日の高値113.17円が11手目となっており、日足でも高値反落の可能性を示唆する「寄引同事線」と「三川宵の明星」となっていることから、反落の可能性に要警戒か。
ドル売りオーダーは、113.10-20円(上抜けるとストップロス買い)、114.00円、114.20円に控えている。ドル買いオーダーは、112.00円、111.50-70円、111.00円に控えている。
ユーロドルは、欧米貿易摩擦への警戒感、欧米金融政策のかい離などから軟調推移か。

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