NYタイムのドル円は、クロス円の上昇に支えられて106.31円まで上昇したものの、米株の大幅反落で伸び悩んだ。ポンドドルは英国が欧州連合(EU)と離脱後の移行期間について合意したとの報道を受けて1.4088ドルまで上昇、ポンド円も149.69円まで上昇した。ユーロドルも1.2359ドルまで強含み、ユーロ円は131.07円まで上昇した。
本日の東京市場のドル円は、国会での森友文書を巡る論争や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、21日のNYカットオプション106.00円(10億ドル規模)を軸にした値動きが予想される。
森友文書問題に関しては、ドル円相場が106円付近、日経平均株価が21000円付近で底堅く推移していることで、楽観的な見方、すなわち、安倍首相が3選されて2020年の東京オリンピックに向けてアベノミクスによる株高・円安のシナリオが継続することが想定されている。
リスクシナリオとしては、麻生財務相が辞任に追い込まれた場合となり、安倍政権の屋台骨が失われることは、アベノミクスによる株高・円安のシナリオが後退することで、ドル円の100円割れ、日経平均株価の20000円割れの可能性が高まることになる。
パウエル第16代FRB議長として初のFOMCに関しては、0.25%の追加利上げが予想されており、注目ポイントはドットチャートでの年内の利上げ回数(3-5回)となる。リスクシナリオは、トランプ米政権の保護貿易主義、貿易戦争による景気悪化懸念や低金利を好むトランプ米大統領への忖度などで、利上げが見送られた場合となる。
ドル円が日銀短観12月調査の大企業・製造業の2017年度下期の想定為替レート109.66円を下回っていることで、3月期末決算に向けた輸出製造業からのドル売り圧力が強まる可能性、本邦機関投資家からのレパトリなどが上値を抑える要因となる。
ドル売りオーダーは、現時点では106.40円、107.00-10円、107.30円、107.50円、ドル買いオーダーは、105.60円、105.50円、105.00円(割り込むとストップロス売り)に観測されている。106円には21日のNYカットオプション、105.25円、105.00円にはオプションバリアが控えている。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)による緩和バイアスの削除、2019年の利上げ観測台頭などで堅調推移だが、欧州とロシアとの対立緊迫化、イタリアのハングパーラメントや反欧州連合政権の樹立への警戒感、ドラギECB総裁のユーロ高けん制などで上値は限定的か。

US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 3 2024 まで 4 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 4 2023 まで 4 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック