NYタイムの為替市場は、ドル円が106円前半で小幅ながらも底堅い値動き。注目された米の輸入制限は、鉄鋼に25%とアルミニウムには10%の関税を全ての国が課されるものの、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉中のカナダとメキシコは当面の間、適用除外となった。また、日本などの同盟国も、協議次第で修正される可能性を残した。貿易戦争への懸念が和らいだことで、リスク回避の円買いは一服した。ユーロドルが上昇後に大きく下振れした。市場予想通りに金融政策を据え置いた欧州中央銀行(ECB)は、その声明で、「必要であれば債券購入の規模拡大」という従来の方針を撤回した。緩和バイアス文言の削除を受けて、ユーロドルは1.2446ドル、ユーロ円が131.98円まで強含んだ。しかし、タカ派発言を期待されていたドラギECB総裁の記者会見では、依然としてインフレに対し慎重な見方が示されたことで、ユーロは失望売りとなった。ユーロドルは1.2298ドル、ユーロ円が130円半ばまで下落した。
トランプ米大統領は鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置の発動を正式に決定した。輸入増加が安全保障の脅威になると認定し、今月下旬から鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を適用する。除外対象は当面、カナダ・メキシコの2カ国に限定し、日本など他の同盟国は今後の協議で対応を決めるとした。織り込んだ部分も大きく市場の反応は限られ、カナダ・メキシコの除外で市場の警戒感は緩んだものの、トランプ政権の方針に他国からの反発や報復が強まり、貿易戦争に突進する懸念は強く、ドル円は下方向への警戒感が続きそうだ。本日の東京タイムでは日銀の金融政策決定会合の結果が公表されるが、金融政策の現状維持が見込まれ、波乱なく通過しそうだ。また、黒田日銀総裁は、必要があればさらなる緩和策を検討、2019年度ごろに物価目標2%に達すれば、出口を検討・議論するというスタンスか。本日はNYタイムに予定されている米雇用統計がビックイベントとなり、東京タイムでのドル円は昨日同様に105円後半-106円半ばのレンジで手控えムードが強まりそうだ。
昨日の欧州中央銀行(ECB)の金融政策イベントを受けてユーロは売られたが、声明の「緩和拡大」の文言が削除され、金融政策の正常化に前向きな姿勢が示された。緩和バイアスが撤回され、今後の量的緩和の解除に向けた動きの強まりが期待され、ユーロは底堅い動きが見込まれる。

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