NYタイムの為替市場は、ドル円やクロス円が底堅い値動き。米1月貿易赤字が9年ぶりの高水準(566億ドル)だったことで、米の保護貿易主義が強まり、リスク回避に傾く可能性は残る。しかし、他の経済指標や米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米景気の好調さが確認され、米株も買い戻しが優勢となったことがドル円やクロス円を押し上げた。ドル円は105円後半から106円前半へ、ユーロ円が131円前半から131.75円まで強含んだ。ポンド円は147.57円まで上値を伸ばした。また、豪ドル円が83円台を回復し、NZドル円も76円後半から77円前半まで水準を上げた。
米2月ADP全国雇用者は+23.5万人と市場予想を上回り、前回値も上方修正された。米10-12月期非農業部門労働生産性・確報値(前期比)は±0.0%、同単位労働コスト・確報値(前期比)が+2.5%と速報値から上昇した。ベージュブックでは、全ての地区で緩やかながらも経済成長とインフレ上昇が確認された。
ユーロドルは、ロンドン勢のロングの投げもあり、1.2385ドルまで下押しした。しかしながら、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、その後は1.24ドル前半でもみ合った。英の欧州連合(EU)離脱交渉への懸念がいくぶん和らいだことで、ポンドドルは1.38ドル後半で下げ渋った。欧州株式市場が堅調なことで、リスク回避の巻き戻しの動きとなり、ドル/スイスフラン(CHF)は0.9443CHFまでのCHF売りに振れた。
加ドルは、対ドルで1.3001加ドルまでの加ドル安となるも、その後に1.28加ドル後半まで買い戻された。加ドル円が81.41円を底に、82円前半まで持ち直した。加ドル売り要因は、市場予想通り政策金利を1.25%に据え置いたカナダ中銀(BOC)が、その声明で次の利上げに慎重姿勢を示したこと。また、NY原油先物が一時60ドル半ばまで下落したことも産油国通貨である加ドルの重しとなった。買い戻しのきっかけとなったのは、ホワイトハウス筋から、カナダは鉄鋼・アルミニウムの追加関税の例外になる可能性、と伝わったことだった。
クロス円の買い戻しを支えに、豪ドル/ドルは0.78ドル前半、NZドル/ドルが0.72ドル後半で強含みに推移した。
6時現在、ドル円は106.10円付近、ユーロドルが1.2412ドル近辺、ユーロ円は131.68円前後で推移。

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