NY為替市場ではドルが全面高となった。週末の米3連休を控え、ポジション調整のドル買いが優勢となった。また、米指標の良好な結果もドル買いを後押した。ドル全面高の流れを受けて、ドル円は下げ渋るも上値は106.40円にとどまるなど、戻りは鈍かった。ユーロドルは1.2394ドルまで弱含み、豪ドル/ドルは0.7893ドル、NZドル/ドルは0.7374ドルまで下落した。
本日の東京為替市場は、中国、香港が引き続き旧正月で休場、米国はプレジデンツデー、カナダは家族の日で休場と市場参加者が少ないため、方向感が出にくく動意薄となりそうだが、ドル円の上値は限定的か。
先週金曜日に浅川財務官が「為替市場は一方向に偏って動いている」と発言したが、財務官がドル全体の動きについて発言したのであれば、昨年も今年もドルが全面安になっている。しかし、円は偏った動きではない。トランプ政権発足直前の昨年1月から先週まで、ユーロやデンマーク・クローネは20%を超えてドルに対して強含んでいるが、円は11%だけの上げ幅にとどまり、主要10通貨のなかでは7位の上げ幅でしかない。今年に入り、円とスイスフラン,そしてNZドルが対ドルに対して堅調になっているが、これらの3通貨は昨年ドルに対しては上げ幅が少なかった3通貨のため、今年に入っての調整は、ようやく遅れていた調整でしかなく、日本だけがドル安に対して苦言を言うような水準では決してないと思われる。よって、この円高はまだ続く可能性が高いだろう。
金曜日に発表のあった、商品先物取引委員会(CFTC)が発表した主要な先物のみのポジション状況は、2月13日時点で多少は減ったが、依然円のネットショートポジションは大きく残っていた。投機的で作られた円ショートを解消するためにも、円高に傾きやすそうだ。
本日は、本邦1月の貿易収支が発表される。市場はすぐに反応するとは思えないが、米国が保護主義化に走っているため、対米の貿易収支がどのような数字かは留意しておきたい。
オーダーは、上値は107円後半から売りが入っているが、本邦勢の売りがどこまで下がってくるかが注目される。下値は106.00円に22日カットのオプションがある。その下は105.50円、105.00円の節目に買いオーダーが並んでいる。特に105.00円は厚めの買いになっている。
ユーロドルは、もみ合いか。先週の金曜日はユーロ売りの調整が入り下がったが、依然ドル安の流れ変わってはいないだろう。しかし東京時間はクロス円の売りが頭を抑える展開を予想する。今週は22日に、1月24-25日開催分の欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨公表される。オーダーも22日にあわせ、NYカットを中心としたオプションのオーダーが多いため、22日までは大きくレンジを作ることは難しいか。今週は欧州からの経済指標も多数発表されるので、経済指標後の動きには目を配りたい。

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