NY為替市場のドル円は、大型のインフラ投資や財政赤字の拡大に触れた米予算教書の公表を受けて、米長期金利はやや上昇、米株が堅調に推移したことで、108.44円から108円後半まで反発した。ユーロドルは1.2235ドルから1.2290ドル前後まで反発した。
本日の東京市場のドル円は、ダウ平均の反発基調を受けて底堅い展開が予想されるものの、明日発表される米1月の消費者物価指数への警戒感から上値は限定的と予想する。今回の米長期債利回り上昇を受けた市場の混乱は、2月2日に発表された米国1月平均時給(前年比)が悪天候要因で+2.9%の上昇となったことに起因する。明日発表される米国1月の消費者物価指数の予想は+1.9%(12月+2.1%)、コア消費者物価指数は+1.7%(12月+1.8%)と見込まれており、予想通りにインフレ率の鈍化となれば、市場の混乱は終息に向かう可能性が高まることになる。リスクシナリオは、平均時給+2.9%を裏付けるインフレ率となった場合となるため、予断を許さない状況が続く。
また、15日は米国債の償還・利払いとなっており、本邦機関投資家の円転圧力によりドル円の上値を抑える要因となる。
ドル円の攻防の分岐点は、日銀短観12月調査の大企業・製造業の2017年度の想定為替レート110.18円、下期の想定為替レート109.66円であり、下回っている限り、3月期末決算に向けた輸出製造業からのドル売り圧力は強まり、株価も軟調に推移することが予想される。
ドル売りオーダーは、現時点では109.00円、109.20-50円、109.70円、110.00円、ドル買いオーダーは、108.25円、108.00円(割り込むとストップロス)に観測されている。
ユーロドルは、ドラギECB総裁のユーロ高への懸念表明、ノボトニー・オーストリア中銀総裁による米国のドル安誘導へのけん制発言、来月のG20の議題となるとの発言を受けて伸び悩む展開が予想される。

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