NY為替市場のドルは、ダウ平均が一時300ドルを超える上昇となり、米10年債利回りも2.85%台まで上昇したことで全面高の展開となった。ドル円は109.70円前後まで強含み、ユーロドルは1.2246ドルまで下落、ドル/スイスフラン(CHF)も0.9455CHFまでCHF安が進んだ。
本日の東京市場のドル円は、ダウ平均が前日比19ドル安で引けたことで日経平均株価の軟調推移が予想されることで、伸び悩む展開が予想される。
昨日のペンス米副大統領、安倍首相、麻生財務相の会談では、日米の自由で公正な貿易への言及に留まったことで、ドル円相場への影響はなかった。しかしながら、本日は中国の1月の貿易収支が発表されることで、ペンス米副大統領が対米貿易黒字に関して言及した場合は、米国と日本、中国の貿易不均衡是正圧力の強化を連想させることになる。
「アメリカ第一主義」を標榜しているトランプ米政権の政策運営は、2017年の税制改革、法人税引き下げに続き、今年2018年は、保護貿易主義、すなわち、関税の引き上げ、ドル相場の引き下げを打ち出す可能性が高いことから、予断を許さない状況が続くことになる。
ドル円の攻防の分岐点は、日銀短観12月調査の大企業・製造業の2017年度の想定為替レート110.18円、下期の想定為替レート109.66円であり、下回っている限り、3月期末決算に向けた輸出製造業からのドル売り圧力は強まり、株価も軟調に推移することが予想される。
ドル売りオーダーは、現時点では110.00円、110.30円、110.50-60円、111.00円、111.20円、ドル買いオーダーは、108.50-80円、118.20円、108.00円に観測されている。また、109.80円を超えるとストップロスが控えており、ドル買いの材料には要警戒か。
ユーロドルは、ドイツの大連立協議が合意に到達したことは買い材料だが、ドラギECB総裁のユーロ高への懸念表明、ノボトニー・オーストリア中銀総裁による米国のドル安誘導へのけん制発言を受けて伸び悩む展開が予想される。

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