NYタイムは、米株の調整先行で、リスク選好の地合いが巻き戻された。ただ、米株は徐々に水準を回復し、ダウ平均とS&P500は終値で史上最高値を更新。もっとも、次期FRB議長として、市場からよりタカ派とみなされていた元財務次官のテイラー・スタンフォード大学教授ではなく、パウエルFRB理事をムニューシン米財務長官が強く支持しており、トランプ大統領による議長指名の有力候補とのニュースが流れ、持ち直しかけていたドルは押し戻された。
ドル円はリスク選好の流れを停滞させ、112.30円まで下落幅を広げた。米新規失業保険申請件数は44年ぶり以上の低水準、米10月フィラデルフィア連銀製造業指数は5月以来の高水準と好結果だったが、ドルの反発力は限られた。その後に発表された米9月景気先行指数が1年ぶり以上の前月比マイナスとなり、ドル円も再び112円前半へ下押し。もっとも、序盤につけた112.30円を割り込むには至らなかった。米株が持ち直すと112円半ばを回復したが、FRB議長人事のニュースが上値を重くした。
クロス円も戻りが重かった。ユーロ円は133円前半、ポンド円は148円半ば、豪ドル円は88円後半で反発が抑制された。
対円でドルが軟化するなか、ユーロドルは1.1858ドルまでドル安・ユーロ高。スペイン・カタルーニャ州が自治停止へとのニュースが伝わったが、即時発動ではなく21日からとされ、悪影響は局所的にとどまるとの見方もあり、ユーロ売り圧力を限定。いったん伸び悩んだものの、パウエル氏が次期FRB議長の有力候補と伝わると高値圏へ戻して引けた。ポンドドルもドル安が進むなか1.32ドル台へ戻したが、1.31ドル半ばへ下押し。イングランド銀行(BOE)のチーフエコノミストであるホールデン理事が、英経済に対する懐疑的な見方に言及した。
株安が先行したことから、リスク回避通貨とされるスイスフラン(CHF)は対ドルで一時0.9737CHF、CHF円は12日以来、1週間ぶりの高値115.56円までCHF高。米株の戻りとともに、CHF安方向へ多少揺り戻された。
オセアニア通貨はまちまち。豪ドル/ドルは0.7884ドルまでじり高となったものの、NZドル/ドルは5月26日以来の安値0.7009ドルまで下落。NZ新政権権が経済に与える影響が懸念された。NZドル円も9月11日以来の安値78.91円まで下落した。
ドル/加ドルは、1.24加ドル半ばから後半で上下。NY原油先物の不安定な振れが、産油国通貨である加ドルの取引を手掛けにくくした。
南ア内閣改造に関する懸念から、ドル/南ア・ランド(ZAR)は13.60ZAR付近、ZAR円は8.28円付近のZAR安水準での推移が続いた、しかし、NY終盤にドル安が強まると、対ドル・対円ともにZAR高方向へ戻した。
6時現在、ドル円は112.54円、ユーロドルは1.1852ドル、ユーロ円は133.38円で推移。

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