先週の新興市場では、米経済拡大の減速懸念や地政学リスクの高まりが意識され、相場全体の不安定感が強まるなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均は大きく値を崩した。これまで人気の高かった銘柄を中心にリスク回避の売りが広がった。一方で、米中首脳会談や米雇用統計の発表を週末に控え、積極的な買いは手控えられた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.3%であったのに対して、マザーズ指数は-4.2%、日経ジャスダック平均は-4.3%だった。マザーズ指数は週末にかけて節目の1000ptを割り込む場面があった。<br/><br/>個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で4.9%高、そーせいグループ<4565>が同3.0%高と堅調だったが、サイバーダイン<7779>は同1.5%安となった。そーせいグループは英子会社のマイルストン受領が好感された。売買代金上位はジーエヌアイグループ<2160>、アスカネット<2438>、ティーケーピー<3479>と全般軟調で、前週上場したユーザーローカル<3984>も売りに押され下げが目立った。また、UMNファーマ<4585>やオウチーノ<6084>などが週間のマザーズ下落率上位となった。反面、直近IPO銘柄でバイオ株のソレイジア・ファーマ<4597>や物流関連のファイズ<9325>が人気となり、夢展望<3185>が上昇率トップだった。ジャスダック主力では、日本マクドナルドHD<2702>が同1.1%高、クルーズ<2138>が同4.7%高となったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.3%安、セプテーニ・HD<4293>が同6.5%安と軟調だった。日本マクドナルドHDの既存店売上高は3月も好調に推移した。また、補助金収入の計上を発表したオービス<7827>、防衛関連の細谷火工<4274>などが物色を集めた。一方、ネットマーケティング<6175>、アズジェント<4288>などが売られた。IPOでは、4月6日にマザーズへ新規上場したテモナ<3985>が公開価格の約3.2倍となる高い初値を付けた。<br/><br/>今週の新興市場では、注目された米中首脳会談を通過し、前週の下落が大きかったこともあり自律反発を意識した買いが入る場面もあるだろう。しかし、外部環境の不透明感から不安定な相場展開が続くとみられる。物色は一部の材料株や強い値動きの銘柄に集中しやすく、資金の逃げ足の速さにも注意する必要があるだろう。<br/><br/>今週は4月10日にプロパスト<3236>、エヌ・ピー・シー<6255>、12日に農業総合研究所<3541>、SHIFT<3697>、エルテス<3967>、13日にケイブ<3760>、PR Times<3922>、エディア<3935>、14日にフィル・カンパニー<3267>、串カツ田中<3547>、IGポート<3791>、Gunosy<6047>、メタップス<6172>、ロゼッタ<6182>などが決算発表を予定しており、これらの12-2月期決算が物色材料となりそうだ。直近IPO銘柄のティーケーピーやNo.1<3562>も4月中旬をメドに決算発表する。<br/><br/>IPO関連では、4月10日にウェーブロックHD<7940>が東証2部へ、12日にLIXILビバ<3564>が東証1部へそれぞれ新規上場する。LIXILグループのネームバリューやホームセンターとしての知名度の高さで注目されるLIXILビバだが、公開規模が非常に大きいことがネックとなりそうだ。なお、アセンテック<3565>は13日までブックビルディング期間となっている。<br/><br/><br/>

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